<第17回日刊スポーツドラマグランプリ受賞者発表>

 「第17回日刊スポーツドラマグランプリ」主演男優賞は、TBS系「半沢直樹」の堺雅人(40)が受賞した。最終回の視聴率は42・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、ドラマでは今世紀最高数字を記録。「倍返しだ!」の決めぜりふも含め、社会現象にまでなった。

 放送翌日の月曜日には毎週、高視聴率がニュースになった。そんな日々を堺は淡々と振り返った。

 「月曜は一番スケジュールがきつい時で、撮影していた(東京・神田錦町の)学士会館は月曜の早朝からしか使えなかったんです。たいていみんな寝てない状態でした。視聴率を聞いて、わあっとなるんですけど、余裕はなかったです」

 それでも「視聴率も含め、賞もいただいたのは、思いの外のボーナス。楽しんでいただけただけでありがたいのに、うれしいです」と言った。

 大きな盛り上がりを見せた作品だが、取り組み方はこれまでとまったく変わらなかったという。

 「吸引力のあるパワフルな現場でしたが、他の作品も皆一生懸命ですし」

 生まれて初めて通し番号001の台本をもらったことも「どなたかの熱い愛情があったので、それにお応えしなきゃな、と」と言いつつ、「何番でも頑張るんですけどね」と笑った。1つの作品が終わると台本は捨ててしまうそうだが、「半沢直樹」も同じだった。

 半沢は「やられたら、倍返しだ!」の決めぜりふで、銀行内外の敵と戦い、斬っていった。

 「真っすぐで気持ちのいい男。時代劇のように演じていました」

 演出の福沢克雄監督とは、11年のTBS系「南極大陸」以来。福沢監督は元ラガーマンで、慶大時代は日本選手権優勝(社会人のトヨタ自動車に勝利)も経験した。少年時代に見た「スター・ウォーズ」の衝撃が忘れられず映画監督を目指したいちずさもある。堺は、そんな福沢監督と半沢直樹の姿をだぶらせ、視聴者が期待する続編についても言及した。

 「福沢さんと半沢直樹は、わりとひとつになってるんです。スポーツマンらしさ、人間的な魅力、すべてをささげる価値のある監督さんです。また福沢さんとご一緒したいですし。『半沢直樹』にまた機会があって出会えたら、頑張ろうと思ってるんです」

 …と言った後、「こればかりは僕の一存では何とも言えないんですけど」と控えめに付け加えた。【小林千穂】

 ◆堺雅人(さかい・まさと)1973年(昭48)10月14日、宮崎県生まれ。早大時代に劇団「東京オレンジ」で看板俳優として活躍。ドラマはNHK大河「新選組!」「篤姫」、TBS系「官僚たちの夏」、フジテレビ系「リーガル・ハイ」など多数。映画は「クライマーズ・ハイ」「アフタースクール」「鍵泥棒のメソッド」などで、多くの映画賞を獲得した。13年4月2日、女優菅野美穂と結婚。172センチ、血液型O。

 ◆ドラマグランプリ

 3月20日から28日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」やスマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」と宅配読者の携帯会員サイト「ニッカンポイントクラブ」などで昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は2154票。男性が727票、女性が1427票。10代以下が45票、20代101票、30代263票、40代823票、50代655票、60代以上が267票だった。