農薬を混ぜた餌を公園にまいてハトを殺したとして、警視庁赤羽署は3日、鳥獣保護法違反の疑いで、東京都北区赤羽の大東文化大准教授・藤井康成容疑者(51)を逮捕した。

逮捕容疑は1月13日午前11時半ごろ、北区内の公園で、農業用殺虫剤として使われる劇物「メソミル」を水に溶かしてコメに付け、ハト4羽に食べさせ殺した疑い。藤井容疑者は「農薬を含ませたコメをまき、野鳥に食べさせて殺したことは間違いない」と認めている。自宅からは「メソミル」を含む農薬などが押収された。

署によると、1月16日、公園付近で警戒中の署員が藤井容疑者に職務質問。鳥用の餌やコメ、液体が入ったペットボトルなどを持っていたため、任意同行したところ「農薬を含ませたコメをまいた。農薬は通販で買った」と説明。当時、農薬を含ませたコメをまいた理由について「近所にハトに餌をあげる人がいて、ねずみなどが寄ってくるのが嫌だった。鳥がいなくなれは、それもなくなる」などと話していたという。

署管内の公園や駅のロータリーで16年4月から十数回、計約100羽のハトやスズメなどが毒物で殺されたとみられる事件が発生。一部から「メソミル」が検出されたことから、署では関連を調べている。

同大によると、藤井容疑者は1日付で、外国語学部英語学科の専任講師から准教授に昇格したばかりだった。担当者は藤井容疑者の勤務態度を「問題はなかった」とした上で「逮捕を知り、がくぜんとしている。学生が混乱しないよう最善を尽くします」と話した。