将棋のアマチュア強豪の小山怜央アマ(29)がプロへの夢をかなえた。

13日、大阪市の関西将棋会館で行われたプロ棋士編入試験5番勝負の第4局で横山友紀四段(23)を下した。午前10時から始まった対局は、午後3時31分、133手で戦果手の小山アマが快勝。これで対戦成績を3勝1敗として、合格。プロ棋士養成機関「奨励会」の在籍経験がない初の棋士となり、岩手県初の将棋棋士となる。また、この制度での合格者は2014年(平26)12月の今泉健司五段(49)、20年3月の折田祥吾五段(33)以来、3人目となる。

その前の05年11月、プロへの重い扉を開いて日本将棋連盟に嘆願書を出し、特例で編入試験を受けて合格した瀬川晶司六段(52)は、小山の対局をずっと注目して見ていたという。「奨励会経験のないプロの誕生は大きな意味を持つ。10代後半から20代にかけて棋力が伸び、アマチュア棋戦で活躍してプロを目指すという点で意義深い」と強調した。

横山戦については、「作戦勝ちから押し切った。強い内容」とした。今回の編入試験に関し、「注目されていた第1局(徳田拳士四段=25)に勝ったのが大きかった」と分析する。

徳田は昨年4月デビューの新人で、本年度33勝10敗(勝率7割6分7厘)と勝ちまくり、藤井聡太王位(20)への挑戦権を争う王位戦挑戦者決定リーグ入りも果たしている。その徳田と比較して、「新四段に匹敵する力があります」とみている。

瀬川と今泉は、フリークラスで規定の勝率を挙げてそれぞれ順位戦C級2組に昇級した。折田は竜王戦6組から2年連続で昇級して、四段から五段に昇段した。「もちろん、フリークラスは抜けられますよ」と太鼓判を押していた。

◆棋士編入試験 2014年(平26)4月に制度化。19年、今の名称に。アマチュア強豪か女流棋士で、プロの公式棋戦で最もいいところから見て10勝以上、かつその間の勝率6割5分以上の成績を収めた者が受験資格を得る。直近プロになった棋士5人が試験官を務め、3勝で合格。3敗で不合格。受験料は50万円。