「もしかすると、深い意味があるのかも…」。記者魂がうずいた。「ケイバラプソディー ~楽しい競馬~」で奥岡幹浩記者が調べた競馬ファンなら誰もが見たことのある「馬券のQRコード」の謎。JRAを取材。そして、QRコードの開発者の思いとは…。
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以前からちょっと気になっていた。SNSを眺めていると、購入馬券のQRコード(二次元コード)部分を隠して投稿する人を結構見かける。なかには「そうしないと情報を抜き取られ、誰かに的中馬券を換金されかねない」といった書き込みがあったりもする。えっ、そうなの? そんなこと起こり得るの?
真偽を確認すべくJRAに問い合わせた。返ってきたのは「馬券そのものがなければ、払い戻しは受けられません」という明瞭な回答。やはりQRコードを隠さずに投稿しても、第三者に換金される心配はないようだ。なお、コード部分が見えないようにしてSNSに投稿することについては「個人のご判断」との見解だった。
QRコードが印字された馬券が初登場したのは01年。従来あった磁気方式の投票券は順次、現在のものに置き換えられていった。コード部分にどんな情報が入っているかは、「馬券のセキュリティー上、詳細はお答えしづらい」とのこと。その上でJRAは「二次元コードがあることで、発券や払い戻しの読み取りがスピーディーになる」と利点を説明した。そもそもQRコードという名称は「クイック・レスポンス」に由来し、高速読み取りを目的に開発されたものでもある。
あくまで推測だが、馬券のQRコードには、購入したレース番号や式別、買い目、購入金額といった情報が含まれている可能性は高い。いくら買ったか(場合によってはどれだけ勝ったか)をオープンにしたくない場合は、投稿時にコード部分を隠す選択肢もあるのかもしれない。
QRコードが完成したのは94年。開発したデンソーウェーブ社は、特許を開放することによって、世の中で広く活用されることを優先した。現在では日常のいたるところで二次元コードを見かけるが、広がりの先駆けとも言えるのが馬券だった。開発者である同社の原昌宏氏(68)は、駅に落ちていた外れ馬券を目にして「感激した」とかねがね口にする。「その馬券にはQRコードが印字されていたんです。あのとき、世の中にQRコードが普及していることを実感しました」。ネット投票全盛の時代ではあるけれど、“紙の温かみ”も捨てがたい。【奥岡幹浩】(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)



