英国の平地競走が、4月1日のドンカスター競馬場開催で幕を開けました。今週は2週後に近づいた英2000ギニーの有力馬について触れることにします。
23年の牡馬クラシックは5月6日の英2000ギニー(G1、芝1600メートル、ニューマーケット)からスタートし、英2000ギニーの翌週の5月14日(日曜)にはフランスで2000ギニーにあたるG1プールデッセデプーラン(芝1600メートル、パリロンシャン)が行われ、5月27日(土曜)に愛2000ギニー(G1、芝1600メートル、カラ)が開催されます。それぞれの2000ギニー馬は(ダービー戦線に向かう馬を除き)6月20日(火曜)から始まる英国ロイヤルアスコット開催のG1セントジェームズパレスS(芝1600メートル)に駒を進めます。
今年の欧州牡馬クラシック戦線の幕開けとなる英2000ギニーはディープインパクトの最後の大物と評判のオーギュストロダン(牡、愛=A・オブライエン厩舎)を中心にして2歳戦で実績を残すリトルビッグベア(牡、愛=A・オブライエン、父ノーネイネヴァー)、それに4連勝で本番を迎えるシャルディーン(牡、英=A・ボールディング、父フランケル)による三つどもえの様相を呈しています。
オーギュストロダンはディープインパクトの最終世代の1頭にして、1970年のニジンスキー以来、現れていない3冠馬の期待もかかる大物です。キャリアは4戦3勝。デビュー戦は2着でしたが、2戦目で勝ち上がり、3戦目のチャンピオンズジュベナイルS(G2、芝1600メートル、レパーズタウン)は5頭立ての3番手から差し切り。直線コースで行われた10月22日のフューチュリティトロフィーS(G1、芝1600メートル、ドンカスター)ではライアン・ムーア騎手がコース手前のスタンド側に馬を誘導し、その進路を選択した3頭のしんがりを進んで、残り400メートルからスパートしてG1を制しました。勝ち鞍はすべて重馬場か不良馬場で挙げたものです。母のロードデンドロンはガリレオの娘で2歳のフィリーズマイル、3歳秋のオペラ賞、4歳春のマイル戦、ロッキンジステークスの3つのG1を制した名牝。ロードデンドロンの全妹には愛チャンピオンステークスなどG1だけで7勝を挙げたマジカルがいる、まさに超のつく良血です。
リトルビッグベアは5戦4勝。デビュー戦は2着でしたが、4戦目のアングルシーS(G3、芝1250メートル、カラ)で重賞初制覇を飾ると、続くフェニックスS(G1、芝1200メートル、カラ)を7馬身差で制して2歳戦を締めくくり、昨年の欧州2歳馬でトップとなる124のレーティングを獲得しました。父は2歳G1のモルニ賞など6戦4勝、2着2回で引退、クールモアで種牡馬入りしたノーネイネヴァー、曽祖母は凱旋門賞馬のオールアロングです。
初戦5着ののち4連勝しているシャルディーンは一昨年亡くなったカーリッド・アブデュラ殿下の競馬法人のジュドモントが所有するフランケル産駒です。デビューから3戦目となった8月のエイコムS(G3、芝1400メートル、ヨーク)を制すと、9月のシャンペンS(G2、芝1400メートル、ドンカスター)、10月のデューハースト(G1、芝1400メートル、ニューマーケット)まで重賞3連勝。デューハーストSではゴール前で並びかけたロイヤルスコッチマンを頭差だけ押さえ込んで勝負強さをアピールしました。本番の鞍上には前々走から手綱を握るランフランコ・デットーリ騎手が予定されています。先の2頭はぶっつけ挑戦となりますが、シャルディーンは4月22日のグリーナムS(G3、芝1400メートル、ニューベリー)に出走するようです。
果たして今年最初のクラシックは、どの馬が制することになるのか。心情的にはオーギュストロダンに3冠の夢を託したいのですが…。
(ターフライター奥野庸介)
成績等は2023年4月20日現在



