凱旋門賞が行われた週末には凱旋門賞以外に7つのG1競走が行われました。それぞれの勝ち馬のプロフィールを紹介しましょう。

土曜に行われた長距離の名物レース、G1カドラン賞(芝4000メートル、10頭立て)はオイシン・マーフィー騎手を鞍上に2番人気で出走したカバーヨデマーロ(セン5、英G・スコット、父フェニックスオブスペイン)が、8連勝中で1番人気に支持されたスカンディナヴィアとの叩き合いを制して優勝、昨年に続く連覇となりました。カバーヨデマーロはこれで26戦11勝、2着5回。今シーズンは7戦3勝です。父は愛2000ギニーを制したマイラーでしたが、この馬はスタミナ豊かな母系の影響を強く受けているようです。カドラン賞の連覇は2003年、04年のウェスターナー以来、21年ぶり。次走は10月17日(土曜)のG1英チャンピオンズロングディスタントカップ(芝3190メートル、アスコット)が予定されています。

3歳以上牝馬によるG1ロワイヤリュ賞(芝2800メートル、11頭立て)はミカエル・バルザローナ騎手のフェアリーグレン(牝5、英S&E・クリスフォード厩舎、父ファー)が、最後方追走から直線大外一気に伸びて優勝。デビューから14戦目でうれしいG1制覇を飾りました。凱旋門賞をやめて、こちらに臨んだ1番人気のサンリーは短首差の2着。フェアリーグレンは通算14戦6勝、2着4回。サイモン・クリスフォード調教師は10月17日(土曜)のG1英チャンピオンズ・フィリーズアンドメアズステークス(アスコット、芝2390メートル)を花道に現役を引退させるプランのようです。

日曜に行われた2歳牝馬限定のG1マルセルブサック賞(芝1600メートル、12頭立て)はクリストフ・スミヨン騎手を鞍上に6番手でレースを進めた1番人気のグリーンエンプレス(牝2、愛J・オブライエン厩舎、父サクソンウォリアー)が、直線で内から伸びたデータをアタマ差下して優勝、5月のデビューから5戦目でG1制覇となりました。グリーンエンプレスはディープインパクト直仔で英2000ギニーを制したサクソンウォリアーの産駒で、人気種牡馬デインヒルダンサー(父デインヒル)の近親。前走のG2モイグレアスタッドステークス(芝1400メートル、カラ)を含め、3度の2着はすべて宿敵サンゴッデスに先着されたものです。

2歳馬によるG1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400メートル、10頭立て)はコリン・キーン騎手を鞍上に最後方を追走したアミュージングリー(牝2、仏F.グラファール厩舎、父ノーネイネヴァー)が、直線大外をまくって優勝。牡馬を倒してG1ウイナーとなりました。牝馬の優勝は2017年のハッピリー以来となりました。アミュージングリーはこれで3戦2勝、2着1回。母ジョユーズ(その父オアシスドリーム)は大種牡馬フランケル(父ガリレオ)の半妹という良血です。

直線1000メートルで行われたG1アベイユドロンシャン賞(15頭立て)はジャック・ニコリス騎手が騎乗して、序盤から先頭に立ったミスイエチャンス(牝3、英K・バーク厩舎、父コタイグローリー)が後続を振り切って優勝。8月から3連勝で初のG1タイトルを掴みました。通算成績は15戦6勝で、勝ち鞍はすべて芝の1000メートル戦という生粋のスプリンターです。

凱旋門賞に続いて行われた3歳以上牝馬限定のG1オペラ賞(芝2000メートル、9頭立て)はクリストフ・スミヨン騎手を鞍上に馬群中団に構えたミススコット(牝3、英J&T・ゴスデン厩舎、父ナイトオブサンダー)が、直線で伸びて優勝。G1初挑戦を実らせました。1馬身半差の2着にG1愛1000ギニーとG1コロネーションSを連勝したプリサイス、一昨年の凱旋門賞2着馬で前走、ドーヴィルのG1ジャン・ルイ・ロマネ賞(芝2000メートル)に快勝して断然の1番人気に推されたアヴァンチュールは直線で伸びず5着に終わりました。馬主はマルセルブサック賞に勝ったグリーンエンプレスと同じザ・サラブレッド・レーシング・コーポレーションです。

今年で160回目を迎えた伝統のG1フォレ賞(芝1400メートル、8頭立て)はライアン・ムーア騎手が騎乗した1番人気のトゥルーラヴ(牝3、愛A・オブライエン厩舎、父ノーネイネヴァー)が、ゴール前で粘るナイトタイムを捉えて優勝、地力の違いを見せつけました。トゥルーラヴは15戦6勝で勝ち鞍はすべて重賞。G1は2歳時のチェヴァリーパークステークス(芝1200メートル、ニューマーケット)、春の英1000ギニー(芝1600メートル、ニューマーケット)に続き、3勝目となっています。

(ターフライター 奥野庸介)

※競走成績等は2026年10月8日現在