ブリーダーズカップも無事に終了。欧米の2歳戦線、それぞれのチャンピオンホースが決まりました。来春のクラシックまでは、まだ二転三転ありそうですが、頂点に立つ未来のクラシックホースを紹介します

【北米】

2歳王者を決めるG1ブリーダーズカップジュベナイルはボブ・バファート厩舎、フラヴィアン・プラ騎手が乗ったヒューズ(牡2、父イントゥミスチーフ)が断然の人気(単勝1・83倍)に応えて優勝、デビューから5連勝でトップに立ちました。年明けに発表されるエクリプス賞の最優秀2歳牡馬に選ばれることは確実でしょう。このまま順調にいけばケンタッキーダービーも、となりそうですが、これに待ったをかけているのがシャグ・マゴーヒー厩舎で、ブリーダーズカップを捨てて、来年に備えたユーエスエスヴェイラー(牡2、父ウォーオブウィル)です。ここまで3戦2勝、評価を高めているのは前走のG1シャンペンS(ベルモントパーク、ダート1600メートル)の勝ちっぷりです。馬群の後方に構え、直線で先頭に立つと独走。後続に6馬身半差をつけました。ケンタッキーダービーの前売りはヒューズが11倍に対して、ユーエスエスヴェイラーは8倍。近年のケンタッキーダービーは3歳デビュー馬の台頭もあって予断を許しませんが、どちらも能力はクラシック級と言えそうです。

【欧州牝馬】

芝のマイル戦、G1ブリーダーズカップジュベナイルフィリーズターフを3馬身差で完勝したエイダン・オブライエン厩舎のサンゴッデス(牝2、父スーネーション)が断然です。数を使うオブライエン厩舎らしく、5月のデビュー以来、月に1・5回ペースで走り、9戦7勝(うちG1に4勝)、2着2回。小回りとはいえマイル戦を制したことは収穫。オブライエン師は「距離不問の怪物」と絶賛していて、桜花賞に当たるG1英1000ギニー(ニューマーケット、芝直線1600メートル)では固い本命馬になることが予想されています。

これの対抗馬に推されているミュージカルタイムズ(牝2、父ロペデヴェガ)もスケールの大きな馬です。6月のデビューから4戦全勝、前走、ニューマーケット競馬場のG1フィリーズマイル(芝直線1600メートル)では驚異の追い込みを決めました。来年から“ゴドルフィン”の主戦となるビリー・ロックネン騎手とともにクラシックを賑わせることが期待されています。距離の伸びる英オークス(エプソムダウンズ、芝2410メートル)では断然の1番人気にされています。

【欧州牡馬】

牡馬戦線もエイダン・オブライエン厩舎のダークネスフォールズ(牡2、父キャメロット)が主役を務めます。4戦3勝。9月のG1ゴールデンフリースS(レパーズタウン、芝1800メートル)と10月のG1デューハーストS(ニューマーケット、芝直線1400メートル)を連勝、後者では先行して、ライバルのデザートキャッスル(牡2、父フランケル)の追撃を首差振り切りました。英2000ギニーの前売りオッズはダークネスフォールズが4・5倍に対してデザートキャッスル6・0倍です。

オブライエン調教師が3冠候補と呼ぶダークネスフォールズはG1英ダービー(エプソムダウンズ、芝2410メートル)でも1番人気に推されています。英国の2冠馬は12年のキャメロット(3冠目のG1英セントレジャーは2着で3冠ならず)を最後に現れていませんが、父をしのぐと噂される息子は果たしてどこまで出世するでしょうか。

(ターフライター 奥野庸介)

※競走成績は2026年11月7日現在