“最強世代”の激突だ。短距離戦線の開幕戦シルクロードS(G3、芝1200メートル、29日=中京)の追い切りが25日、東西トレセンで行われた。恒例の「追い斬り激論」では粒ぞろいの4歳勢から伸び盛りの2頭をピックアップ。大阪本紙の太田尚樹記者は4連勝中のマッドクール(牡、池添学)を推し、東京のホープ桑原幹久記者は2連勝中のトウシンマカオ(牡、高柳瑞)をプッシュした。

太田 “最強寒波”はすさまじいな。

桑原 美浦は氷点下4度で、馬場は凍って強風も吹き荒れてました。

太田 栗東なんかマイナス6度で何年ぶりかの大雪や。こっちの勝ちやな。

桑原 それって逆に負けでは…。そんな寒波に負けない動きを見せたのが2連勝中のトウシンマカオです。ウッド5ハロン68秒0-12秒3でヴォルケニック(古馬1勝クラス)に先行併入。いっぱいに追われる相手に対し、馬なりで乗り手が振り返る余裕もありました。輸送を考慮した予定通りの調教ですし、先週に鮫島駿騎手が駆けつけて同64秒7-11秒4と、しっかりやってますからね。

太田 前走の京阪杯は現地で取材したけど、その鮫島駿騎手も「非常に強い内容」「本当に完勝だった」って絶賛しとった。ただ、今回は当時から3・5キロ増の58・5キロになるんよな。

桑原 高柳瑞師は「体が大きくないので重量が増えることがプラスではないが、こなしてくれれば本番への見通しが明るくなる」ととらえていました。24日時点で474キロ。輸送で10キロほど減る計算でも前走(454キロ)から10キロ増が見込めますし、これは成長分でしょう。重量増を乗り越える上でも好材料です。

太田 俺の推すマッドクールはハンデ56キロで2・5キロも軽い。同じ4歳馬で、この差はでかい。

桑原 4連勝中とはいえ、準オープンからいきなり重賞はきつくないですか?

太田 もともと調教では現役トップレベルの動きをしとる。前走時なんか坂路で馬なりのままラスト11秒6と破格の動きやった。

桑原 それに比べ、今回は坂路4ハロン53秒8-12秒1でしたね。

太田 それこそ雪と低温でタフな馬場やったし、ラスト12秒1は、この日2位タイやからな。しかも馬なりで余力十分。ダイナミックな走りで、今の荒れ馬場も苦にせんはずや。池添学師からも「馬場を気にせず豪快に上がってきた。やるだけ動く馬。未勝利を勝った時から上までいける感覚があった」と聞いた。

桑原 中6週は自己最短タイで、前回(5走前)は3着に負けていますね。

太田 それはダートやから。2歳春に右前脚の剥離骨折があって間隔を空けながら使ってきたけど、担当の名倉助手も「成長を待って、だいぶ良くなってきた」と成長を実感しとる。

桑原 最強の呼び声高い4歳世代で、熱い戦いになりそうですね。寒波に負けず乾杯で暖まりましょう!

太田 お寒いダジャレでまた体が冷えてきたわ…。