友道康夫調教師(60)が12日、落馬事故で10日に逝去した藤岡康太騎手を悼んだ。

藤岡康太騎手は普段から友道厩舎の調教をサポート。レースでも18年神戸新聞杯のワグネリアンや21年京都大賞典のマカヒキなど、コンビで重賞3勝を挙げていた。栗東トレセンで取材に応じた師は訃報に「厳しいとは聞いていたが、現実となると信じられない。残念というか、悔しいです」と悲痛な思いを明かした。

今月3日には、皐月賞に挑むジャスティンミラノの1週前追い切りにも藤岡康太騎手が騎乗していた。

「あれがうちの厩舎で乗ってくれた最後の馬じゃないかな。うちの馬にはほとんど調教で乗ってくれていたし、ほとんどの勝利は彼のおかげだと思う。ワグネリアンは代打で結果を出して、きっちり仕事をしてくれた。調教技術もあったし、うまく乗ってくれていた。感想も的確に返ってきていたし、馬のことをよく分かっていた」

レース後は勝敗にかかわらず、必ず電話などで次へのアドバイスをくれたという。「それが厩舎の参考になっていた。競馬だけじゃなく、うちの厩舎に貢献してくれた」と感謝した。

藤岡康太騎手は昨秋、マイルCSを代打騎乗のナミュールで勝利。自身14年ぶりのG1制覇を果たした。自宅でレースを見ていたという友道師は「初めて、うちの厩舎じゃない馬で声が出たね。ゴール前で『康太!』と。おめでとうのLINEを送ったら『うちの厩舎でも勝ちたい』と言ってくれた。今年は一緒にG1を勝ちたいと思っていたところだったのに…」。あまりにも早すぎる別れに、友道師も無念さをにじませていた。