今年の有馬記念のファン投票では、史上最多の685万2342票(有効投票数)が集まった。1位のレガレイラが獲得した61万2771票も最多記録を更新した。

昨年の502万1272票(1位ドウデュース=47万8415票)から約36%増の大幅アップ。10年前の147万5755票(1位ゴールドシップ=12万981票)と比べると、なんと4倍以上になっている。

なぜ、これほどまでに増えているのか? JRAにたずねると「多くのお客さまにご参加いただきありがとうございます」と感謝した上で、3つの要因が挙がった。

「JRAアプリで積極的に広報(モーダルやアプリお知らせを一層活用)」

「よりファン投票への行動に移りやすいWeb広告やSNSなどの告知媒体にて広報を行っていること」

「TBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の放送により、お客さまの競馬産業への関心・注目度が高まり、有馬記念ファン投票の認知度も上がったこと」

たしかに、今年についてはドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」で有馬記念にスポットが当てられたのも大きいだろう。

世界でもほとんど例がないファン投票で出走馬を選ぶ形式は、56年のレース創設から採用されている。

JRAによると、1つのターニングポイントになったのが78年だという。

テンポイントとトウショウボーイの一騎打ちで盛り上がった翌年に、ファン投票のキャンペーンを強化した。それまで「競馬百科」という書籍だけだったプレゼントを充実。各施設で告知ポスターも掲示して周知に努めた。

これによって同年は、投票数が前年比4倍近くまで飛躍的に伸び、発売金も前年の135億円から205億円へと大幅に増えた。

98年からはインターネットによる投票が併用され、13年にはスマートフォンによる投票も可能になった。20年以降は投票がインターネットのみに限定され、投票用紙は廃止されている。

ファン投票のプレゼントも、幅広いファン層に向けて用意されている。今年のA賞は「選べる豪華賞品セット」。13種類の中から計100万円分の賞品を選べる。B賞は「有馬記念当日の中山競馬場ペア招待席+旅行券2万円」。ほかにも競馬グッズやクオカードなどが当たる。

JRAは「お客さまのファン投票に対する参加意欲を高めていただくために、近年では選べる家電等のセットや、有馬記念当日の来賓席のプレゼントなど、初心者層からコアなお客さままで幅広く喜んでいただける賞品を用意するよう心がけております」と説明した。

今年で第70回を迎える有馬記念。創設に携わった有馬頼寧理事長(当時)が掲げた「ファンがより一層競馬に親しみを感じられるレースにする」という理念は、今なお受け継がれている。【太田尚樹】

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