東京オリンピック(五輪)代表の野口啓代(31=TEAM au)は、2課題を完登して首位通過で準決勝進出を決めた。気温32度の炎天下の中、頂点だけを狙って淡々と登った。難関だった2課題目の終盤では、勢いよくジャンプして、左手を負傷しそうになったが力強い腕力で乗り越えた。「課題中のレスト(休憩・回復)で、心を落ち着かせるのが苦手だったけど、前よりも落ち着いて登れるようになった。1本目はうまくいかなかったが、2本目はリラックスできた」と満足げに振り返った。

茨城県龍ケ崎市の実家にチームを支援するKDDIが、リード、ボルダリング、スピードの3種目の壁を建設した。今年5月に完成し、コロナ禍による自粛期間中も“虎の穴”で黙々とトレーニングに励んだ。大会前のリードの練習量も増え、その成果を実感した。東京五輪で引退を表明している女子の第一人者は、11日の準決勝・決勝に照準を合わせ「(今大会で)成長した姿をみせたい」と、すがすがしい表情で意気込みを語った。