J2アルビレックス新潟のFW谷口が今季リーグ戦2桁得点に到達した。22日のホームSC相模原戦。1-1の後半6分にDF藤原の右クロスを右足で合わせて決勝点を奪った。今季はMF高木も10得点を記録しており、同一チームで複数の選手が2桁得点は今季のJ2で初。チームではJ1だった10年にMFマルシオ・リシャルデスとMFチョ・ヨンチョルが記録して以来11年ぶり。日本選手2人に限ると、J2が44試合制だった01年以来、実に20年ぶりだ。

22日の相模原戦 前半、飛び出したGKをかわすFW谷口
22日の相模原戦 前半、飛び出したGKをかわすFW谷口

新潟で複数選手が年間2桁得点
新潟で複数選手が年間2桁得点

クロス攻撃で相手の5バックをこじ開けた。谷口の決勝点だけでなく、MF福田の前半32分の同点ゴールもMF星の右クロスに谷口が飛び込んだことで生まれた。その攻撃は相手の弱点になっていた右サイドに集中。Jリーグ公認データ「J STATS」によれば、有効なスペースがあった右からの攻めは53%を占め、左の25%を上回った。

22日の相模原戦 ドリブルするMF高木
22日の相模原戦 ドリブルするMF高木

センターバック(CB)2人が右サイドバック藤原の攻め上がりをうながし、同サイドの攻撃が活性化。チームは中断明けからCB2人の位置を左右入れ替えたが、右の千葉からグラウンダーの縦パスに加え、左に移動した舞行龍から右斜め前方へ「対角線」のロングパスも効果を発揮した。そこで藤原と星、高木と福田が連動して切り崩してクロス。ペナルティーエリア内ではニアサイドにFW高沢が飛び込み、最後に左から進入した谷口が仕留める。20年ぶりの快記録は緻密な戦術によって達成された。【石川秀和】