日本(FIFAランキング23位)がガーナ(同60位)に4-1で勝ち、決勝に進んだ。MF久保建英(21=マジョルカ)に国際Aマッチデビューから3年で、待望の代表初得点が生まれた。トーナメント制で争うキリン杯。14日の決勝で日本は、チュニジアと対戦する。ただ、日刊スポーツ評論家のセルジオ越後氏は、期待が大きいからこその辛口評価した。

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久保はなかなか成長しないね。相手のプレッシャーに耐えられないようじゃ、中央でのプレーは厳しいね。かわせる技術がないから、コロコロ転んで痛がってしまう。ボールを持つと、とにかくハイスピードのドリブルを試みようとしていたが、それはサイドにいる時の選択肢だ。

ワンツーパスで抜けたり、思いきりシュートを打ったり、前線へのパスを狙うなど、バリエーションを増やさないと、狙われるに決まってる。そうでないと、ドリブルも生きないよ。

中央で耐えられず、サイドに流れることもあった。それでも、ドリブル突破はできなかったね。もう18歳で騒がれる時期は過ぎたんだよ。21歳になった。世界では、21歳はもう若手で大目にみてくれる年齢でもない。考え方を変えないといけないし、このままならW杯メンバー入りは難しいのではないか。

後半28分に代表初ゴールを決めたことで、吹っ切れてくれればいいね。相手の足が止まり、DFはラインをかなり下げていたため、ペナルティーエリア内でボールを受けられた。でも、今日のガーナなら、もっと前半からエリア内でプレーできる工夫をしないといけないね。ゴール後に手放しで喜ばなかったのも、そのへんが分かっていたからなんじゃないか。

久保はフル出場したし、もう次のチュニジア戦(14日・吹田)の出番はないだろうね。あっても10分程度か。6月の4試合、最初で最後のアピールの場で得点できたことはよかったけれど、森保監督を振り向かせることは、できなかったんじゃないかな。

(日刊スポーツ評論家)

日本対ガーナ 後半、久保(左)に声をかける森保監督(撮影・加藤哉)
日本対ガーナ 後半、久保(左)に声をかける森保監督(撮影・加藤哉)
日本対ガーナ 前半、フリーキックからゴールを狙う久保(撮影・横山健太)
日本対ガーナ 前半、フリーキックからゴールを狙う久保(撮影・横山健太)