日本サッカー協会の西野朗技術委員長(62)が17日、各大陸の王者などが集まるコンフェデレーションズ杯の視察のため、開催地のロシアに出発した。同杯には、アジア王者としてオーストラリアが出場。2018年のロシアW杯出場に王手をかけている日本は、アジア最終予選の次戦(8月31日)でホームに迎える相手だけに、オーストラリアの視察が最大の目的となるとみられる。

 西野技術委員長は「(オーストラリアの)情報はいろんな形で取りたい。丸裸にする」と、細部にも目を光らせるつもりだ。もちろん、これまでも何度も対戦し、分析も続けてきた相手。それでも「(オーストラリアが勝った8日の)サウジアラビア戦から、どう変化していくかを見ないと。戦略、戦術はどうなるのか。日本に対してどうしてくるのか。(W杯アジア最終)予選の前に真剣勝負ができるというのは、非常に大きい。日本もホームのアドバンテージはあるけど、オーストラリアにとっても良い準備ができるので、アドバンテージだと思う」と、1試合ごとに成長していく姿も見逃さず、最新情報を手に入れたい考えだ。

 現地では6試合の視察を予定している。オーストラリアはコンフェデレーションズ杯1次リーグで3試合を戦うが、西野技術委員長が観戦するのは、その中の1試合だけの予定だった。残るオーストラリアの2試合は当初、後からロシア入りし、大部分が西野技術委員長とは別行動となる日本代表のハリルホジッチ監督が視察予定。西野技術委員長が観戦予定だった残る5試合は、オーストラリアとは関係なかったが、この日になって「最後は予定を変えて、監督と一緒にオーストラリアの試合(25日チリ戦)を見ようかなと思っている」と明言。直前になってプラン変更を検討している点に、オーストラリア対策にかける思いをのぞかせていた。