日本サッカー協会のナショナルトレセンコーチに就任した元日本代表GK川口能活氏(43)が17日、福島・JヴィレッジでのU-17(17歳以下)日本代表候補合宿で、代表GKコーチとしてデビューした。

約2時間半と初日から負荷をかけた練習では、選手と一緒にストレッチをしたり、レクリエーションで笑顔を見せる場面もあった。「なんて呼んだらいいの?」などと積極的に交流をはかり、ミニゲームではゴールの後ろに立って「セカンド早く!」「(声の)トーン上げて!」などとGKへアドバイスを送った。

U-17代表では、川俣則幸GKコーチに師事しながら高校生の指導に当たる。この日は川俣コーチ主導で、GK後東尚輝(徳島ユース)、GKヒル袈依廉(かいれん=鹿児島城西)とのGK練習に時間を割いた。2人はそれぞれ187センチ、189センチと大型のGK。川口コーチは「(高校時代の)僕に比べたら、体は大きくしっかりしている。僕が高校生のときはプロという具体的な目標はなかったけど、プロ予備軍の彼らはプロに向けて準備ができている」と印象を明かした。

チームは21日まで5日間合宿を行う。寝食を共にする中で選手との関係性を築くことも重要だとし「できれば話をしながら距離を近くしていきたい。自分が選手時代はコーチとの対話が大事だった。コーチとの会話は選手の手助けになるので、合宿でどこまでできるかは分からないけど、より選手との距離を縮めたい」と意気込んだ。

10月にはU-17W杯ペルー大会が控える。川口コーチは「森山監督のチームは“戦う”ことが前提。僕はそういうチームが大好き。技術や戦術はもちろん、ナショナルチームとして戦うプライドや覚悟も年代問わず大事。自分の経験をふまえて、そういうことの重要性を伝えたい」と抱負を語った。【杉山理紗】