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森重「目立ちたいから」FKキッカー志願

居残りで直接FKの練習を繰り返す東京DF森重
居残りで直接FKの練習を繰り返す東京DF森重

 センターバック(CB)にスポットライトを! 東京の日本代表DF森重真人(27)が20日、今季の直接FKキッカーに名乗りを上げた。CBがキッカーを務めることは珍しく、キャンプ中は居残りで特訓してきた。「目立ちたいから」という理由だが、その真意は脚光を浴びづらいポジションに注目を集めるため。今日21日のJ2福岡とのプレシーズンマッチ(レベスタ)で、その腕前ならぬ“脚前”をお披露目する。

 山に囲まれた練習場で、鮮やかなFK弾に歓声がこだました。森重が居残りで行う直接FK練習は、今季恒例の風景。壁に見立てた人形を越えて右に左に蹴り分ける。DFらしからぬゴールへの軌道に、見守る同僚からもファンからも驚きの声が漏れた。左足から精度の高いキックを披露するDF太田とは逆の右足キッカーが、今季新たな武器として戻ってくる。

 CBの選手が、キッカーを務めることは珍しいケースだが、森重には実績がある。11年にはJ2でゴールをマーク。同年度の天皇杯決勝でも決めた。本格的には4年ぶりの取り組み。その理由を「目立ちたいから」と言い切るには、強い思いがあったからだ。CBはポジション柄、スポットライトを浴びにくい。ゴールを決めることよりも、阻止することが一番の仕事。しかし「FKを決めればCBというポジションを少しでもたくさんの人に知ってもらうことができる」と、決意した。

 お墨付きはもらっている。自ら名乗り出た森重に、フィッカデンティ監督は「本当にDFとは思えないほどの技術がある選手。だからFKも十分狙える。世界的に見ればキッカーが常にFWとは限らない」と後押し。かつては、Rマドリードの元スペイン代表DFイエロらが、CBのキックの名手として名をはせた。流れの中では守備に集中し、FKの場面では前線に駆け上がって決めれば、CBがおのずと目立つことができる。

 もともとアギーレジャパンでは、攻守において存在感を右肩上がりで示してきた。1月のアジア杯では、顔面を強打しながらピッチに立ち続ける姿に、同僚DF吉田から「日本一タフなCB」とたたえられた。闘志むき出しに守って、走って、戦う森重が、J1の舞台で蹴って決めたら盛り上がる。まずは今日の前哨戦で、その可能性を証明する。【栗田成芳】

 [2015年2月21日7時25分 紙面から]








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