清水は、甲府とプレシーズンマッチを行い、競り勝った。前半12分にFW長沢駿(26)がヘディングで先制点をマークすると、その後も終始ゲームを支配した。後半は押し込まれる時間が続いたが、粘りの守備を見せて完封勝利。鹿児島キャンプのニューイヤー杯で3連敗を喫したチームだが、今季初めてJクラブ相手に勝利を収めた。

 清水が開幕に向けて手応えをつかんだ。前半12分、MF村田和哉(26)が右サイドを突破すると、ゴール前に鋭いクロスを供給。走り込んだ長沢は相手2人に挟まれながらも「当てるだけだった」とヘディングで合わせてネットを揺らした。長沢は「必ず点を取りたいと思っていたのでよかった。率直にホッとしている」。昨季、右膝前十字靱帯(じんたい)断裂で長期離脱した長身FWは今季初得点を決め、安堵(あんど)の笑みを見せた。

 その後も前線で積極的にボールを受けて起点となると、チームも連動した動きを見せて、終始相手を圧倒した。試合後、長沢は「追加点を取りたかった」と満足しなかったが、大榎克己監督(49)は「(長沢)駿がいることでターゲットになる。チームとしても助かる」とたたえた。

 鹿児島キャンプでは、ニューイヤー杯で3連敗。守備は3戦8失点と課題を露呈したが、チームは20日に行われたKリーグ・光州FCとの練習試合に続き、2試合連続で無失点だ。今季初めてJクラブ相手に勝利し、開幕に向けて形は見えてきた。長沢は「今日の試合をスタンダードにして、これ以上を目指したい」と力を込めた。【神谷亮磨】