山形が今キャンプの対外試合4戦目で初黒星を喫した。22日、フクアリでJ2千葉と練習試合(45分×2本)を行い、0-1で完封負け。1本目はFW山崎雅人(33)が左サイドで攻守の中心となって主導権を握ったが、後半は全体の運動量が落ちて押し込まれた。前線からのプレスが効かない時間帯の戦い方がJ1での課題となりそうだ。

 今キャンプで初めて90分を見通した試合の中で、山形が2つの顔を見せた。1本目は前線からのプレスが機能して多くチャンスを作ったが、2本目の10分すぎから全体の足が止まった。高い位置でボールを奪えなくなって押し込まれ、同43分に自陣ペナルティーエリア付近でのミスから失点。石崎監督は「前後半で運動量がずいぶん変わった。リーグ戦だったら勝ち点1が減ると苦しくなる」と反省材料を口にした。

 経験豊富な2人のプレーと言葉が、すべてを物語っていた。1本目は2列目左で出場した山崎が、同サイドのMFボムヨン、DF石川と連動しながら攻め続けた。守っても敵陣深くまで相手を追いかけ、MF松岡らが中盤でボールを奪う形を何度も作った。

 山崎 1本目は前でパスカットしてからシュートまで行けたし、左が攻撃の起点になっていた。逆に言えば、ほかに攻め手がなかった。後半にプレスが落ちたのは事実。かなり運動量が求められるけど、どれだけ続けられるかが課題。

 J1通算108試合出場のボランチは、前線からのプレスをかわされた際の試合運びについて指摘した。

 松岡 後半は相手が選手を代えて、プレスをかけにくい位置を突くボール回しをしてきた。J1では全員で連動しても奪えない時が必ずある。いつかリズムが来ると思って我慢することが必要。自陣に押しつけられた中で、つないだりキープする力も欠けていた。

 初黒星で課題が浮き彫りとなったが、1本目の決定機を生かせていれば勝敗は変わった。石崎監督が「ミスを改善すればいい」と言うとおり、この負けを戒めにして2週間後の開幕戦まで準備を進めていく。【鹿野雄太】