仙台の新加入MF金久保順(27)が22日、雨の中1人黙々と練習を行った。第3次宮崎キャンプでは右臀部(でんぶ)に違和感を訴え別メニュー調整を続けていたが、この日は約1時間にわたってボールを蹴り続けた。「開幕には間に合うと思う。あとは自分次第」と話した。

 今季初実戦では右SHで先発するなど、アピールを続けてきた。しかしキャンプ中盤に離脱。残す練習試合は28日の1戦のみだ。「試合もせずに帰ったらキャンプした意味がない。あと1つ出られたら」と挽回にかける。チームがオフの今日23日も「練習します」と、出遅れた分を自主練で取り戻すつもりだ。

 プロ5年間で、3クラブでプレーした経験を生かす。「いろいろなスタイルをやってきたので、新しい選手ともすぐに合わせられる」。正確なクロス、的確なパスに自信がある。背番10を背負った流通経大で学んだ「頭を使うプレー」は、渡辺監督の堅守賢攻でも武器となる。「おもしろい発想だし、自分には向いている」。

 大宮時代、埼玉ダービーの盛り上がりを知るからこそ、山形との開幕戦出場には意欲を見せる。「東北ダービーに勝って盛り上がっていければ。楽しみです」。この日の練習後も「思った以上に進歩もあるし違和感もない。試合に出たいです」。定位置取りへ、金久保の反撃が始まる。【成田光季】

<金久保順(かなくぼ・じゅん)アラカルト>

 ★経歴 1987年(昭62)7月26日、茨城県境町生まれ。静小3年からサッカーを始める。水戸短大付高から流通経大。10年に大宮入団。13年福岡、14年川崎Fへ期限付き移籍。

 ★プレースタイル 高い技術を持ち、パスでチームを回せるSH。トップ下も可。プレースキック、キープ力が武器。尊敬する選手は川崎F中村憲剛。

 ★家族 夫人と2男。父一郎さん(57)は元競輪選手。

 ★身長、体重、血液型 170センチ、64キロ、A型。