浦和レッズの日本代表DF槙野智章(31)は、ブンデスリーガのケルン(現2部)で11年にプレーをともにした、ヴィッセル神戸MFルーカス・ポドルスキ(33)とJリーグで初対決した。

試合後、欠場した神戸MFアンドレス・イニエスタ(34)、サガン鳥栖に加入したFWフェルナンドトーレス(34)を含め、海外から来たビッグネームから「Jリーグ全体が、サッカー界を盛り上げるために学ぶべきものも、たくさんあると思う」と提言した。

槙野は、公式戦6戦目でようやく実現したポドルスキとの初対決について聞かれると「いやぁ~初対決って…僕、あまりマッチアップしていないですからね。まさか11年に同じプレーして数年たって、日本で対決するとは思ってもいなかった。チームとして、うまく戦えたのが良かったと思います」と振り返った。この日、イニエスタが欠場したため、ポドルスキは前線から1列下がり、中盤でプレーしていた。

ただ、ポドルスキの攻略法は、この日3ボランチを組んだMF青木拓矢(29)、MF長沢和輝(26)にしっかり伝授していた。

槙野 彼(ポドルスキ)からのパス、出どころに対して、うちもかなりプレッシャーをかけた。彼にとって(ゴール前)約30メートルはシュートエリア。左足から繰り出されるサイドチェンジと、ラストパスの精度は非常に高い。彼に時間とスペースを与えないことを口を酸っぱくして言っていました。だから前を向いてパスを出すシーンは、なかなかなかったと思う。本当に彼ら(青木と長沢)は良くやった。

槙野は、イニエスタが欠場し、対戦できなかったことについても「本当は、イニエスタ選手がいる神戸とプレーしたかったのは事実だし、5万5000人の人(観客)たちも見たかったと思う」と本音を吐露した。その上で「イニエスタ、ポドルスキ両選手ではなく、浦和の選手を主役にしたいと思っていた。浦和の日に出来て良かった」と胸を張った。

一方で、ポドルスキとイニエスタが加入した神戸のレベルが上がっていることを、神戸の選手から聞いたことを明かした。

槙野 彼みたいな名前も実力も経験もある選手がJリーグに来て、たくさんの日本人のサポーターもそうですし、神戸の選手もいろいろなものを引き出してくれたと思う。それは日本人選手から感じ取れなかったものだと思う。神戸の選手からも「自分たちが、もっとうまくなっている」と聞いた。レベルの高い選手と一緒にやることで、プレーの幅とか成長の幅が変わってくるのは僕自身、感じ取れたしやっている神戸の選手もかなり感じていると思う。

その上で、槙野は「Jリーグ全体がサッカー界を盛り上げるために彼らから学ぶべきものもたくさんあると思う」と、海外からのビッグネームが加入したクラブだけでなく、Jリーグ自体が彼ら著名選手から学ぶべきだと提言。「神戸、鳥栖に限らず、浦和もビッグクラブと言われているチームだけに、外国人選手の補強やいろいろなことに対し、もっとお客さんを呼べるような、いろいろな盛り上げを考えなければいけないと感じている」と、浦和に対しても、もの申した。

この日は5万5689人の観客が入り、5万7727人の観客が入った、17年11月25日のアジア・チャンピオンズリーグ決勝・アルヒラル第2戦以来となるチケット完売となった。

槙野は「うちが最初から最後までプレッシャーをかけ、ゴールもたくさん決められて0で抑えられた。今年1番のベストゲームと言ってもいいんじゃないかと思うくらい、やるべきことをみんながしっかり出来た結果」と神戸戦を評した。

その上で「正直、アルヒラル戦以来の完売。赤いサポーターの声、声援は実力以上のものを引き出してくれる力になる。間違いなく自分たちじゃなく、結果と内容はサポーターの力があってこそ」と、スタジアムを真っ赤に染めたサポーターの力あっての最高の内容の勝利であることを強調した。

そして「イニエスタ、ポドルスキ両選手の力があってこそ(観客が)これだけ集まったと思っていますけど、毎試合、これだけ集まるくらいのサッカーの質、結果を出し続けなければいけない。もっとたくさんのお客さんの前でプレーしたい」と固く誓った。【村上幸将】