呉越同舟の異例タッグで被災者支援だ。北海道コンサドーレ札幌は11日、前日10日に対戦する浦和レッズと共同で、札幌・宮の沢の練習場に北海道胆振東部地震で被害の大きかった札幌市清田区内のサッカー少年らを招いてサッカー交流を行う。両チームの選手同士で相談し、実施が決まった。札幌は全選手、浦和は10日札幌戦(札幌厚別)ベンチ入りメンバー18人が参加を予定している。

昨日の敵は今日の友となる。札幌と浦和が協力し、被災した子どもたちを元気づける。札幌の練習場に清田区内にある3つのサッカー少年団に所属する子どもたち約100人を招き、サッカーで交流する。次節の10日札幌対浦和を戦い終え、浦和のベンチ入りメンバーは、そのまま札幌にとどまり、翌日の活動に参加する。通常の練習と同じく、見学は自由となる。

両選手間で意見交換された。10月7日、札幌の選手らが訪れた厚真町など、被害の大きかった胆振地方の被災地への訪問も検討された。だが、清田区内でも道路の液状化現象などの被害が発生。不安な思いをした同区内でサッカーを愛する少年らを励ますプランが実現することになった。試合翌日とあり、選手にとってもリカバリーを兼ねて子どもたちと体を動かすことになりそうだ。プレゼント贈呈や写真撮影などにも対応する。

浦和は先月、負傷者などをのぞく参加可能な全選手がさいたま市内で募金活動を行うなど、支援に積極的。DF槙野は地震発生時、日本代表として札幌遠征中だったため、実際に被災している。直後の札幌市内での練習で「サッカーでどれだけ元気を与えられるかわからないけど、何かしらできれば。元気になってもらえればと思っている」とコメントするなど、支援への思いは特に強い。

地震発生から今日6日でちょうど2カ月が過ぎた。札幌の野々村芳和社長(46)は「(復興支援は)1回やれば終わり、1年間やれば終わりというものではない。(被災前の)元通りに戻るには10年かかると聞いた。特別なことをやるわけではない。まだまだですよ」と話す。札幌にとっては継続的な支援の一環として特別なコラボレーションが実現する。