ジュビロ磐田がアウェーで湘南ベルマーレを2-0で下し、待望の今季初勝利を挙げた。0-0の後半27分、オウンゴールで先制。同ロスタイムには、FWロドリゲス(23)が来日初ゴールを決めて試合を締めた。次節、清水との静岡ダービーを前に大きな勝ち点3をつかんだ。

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待ちに待った光景が広がった。アウェー側スタンドに陣取った約1600人の磐田サポーターによる勝利の大合唱が、BMWスタジアムに響いた。開幕6戦目でつかんだ今季初勝利。名波浩監督(46)も「この勝ち点3はチームにとっても、選手にとっても自信になる」とうなずいた。

0-0の後半27分。右サイドでFW大久保嘉人(36)のパスを受けたMF松本昌也(24)が、ゴール右から送ったクロスが、オウンゴールを誘った。貴重な先制点に続き、同ロスタイムには鮮やかな速攻が決まる。GKも上がり、同点弾を狙った相手FKをキャッチしたGKカミンスキー(28)のロングスローから、FWロドリゲスが無人のゴールに流し込んだ。

ルクセンブルク代表助っ人の来日初得点で勝負あり。リーグ戦では、過去13戦でわずか2勝の鬼門を破った。ロドリゲスは「全員が良いプレーをした結果」と、一丸を強調した。

5戦未勝利となった先月30日の鹿島戦後、MF山田大記(30)やDF新里亮(28)らで食事会を行った。3時間以上に及んだ「サッカー談議」を翌31日に、主力メンバーを中心に青空ミーティングで共有した。山田は「少ない(人数の)方が若手も発言しやすい。ピッチの中で『どうするのか』。プレーする選手の中で共通していないといけない」。苦しい状況の中で取った行動が、チーム好転への1歩につながった。

今季初の複数得点を挙げ、守備陣は4戦ぶり無失点。次節の静岡ダービーを前に大きな勝ち点3を得た。「ダービーにも勝ってさらに波に乗りたい」と指揮官。清水を退け、今季初の連勝を飾る。【前田和哉】

▼GKのアシスト 磐田GKカミンスキーがロングスローで記録。J1リーグ戦では神戸のキム・スンギュが17年10月14日の浦和戦でマークして以来。Jリーグが現行の試合方式(延長戦廃止)となった03年以降では通算17度目。過去16度はいずれもロングキックからで、今回のカミンスキーのように手でアシストを記録したのは初。