コンサドーレ札幌は昨季J1覇者の横浜に1-4で敗れた。撃ち合いを挑んだ一戦も、前半2点、後半2点を奪われ、横浜の攻撃力に屈した。後半ロスタイム3分、FWアンデルソン・ロペス(26)の今季リーグ1号で0封負けは逃れたが、18年就任のミハイロ・ペトロビッチ監督(62)体制では5試合連続未勝利(1分け4敗)はワースト。敵地での横浜戦は9戦全敗となった。

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札幌ペトロビッチ監督が「ナイフで刺し合うような試合になる」と、刺し違えるのも覚悟して臨んだ撃ち合い戦。撃たれ、撃たれ、撃ち返しきれなかった。「やるか、やられるか」。悪いほうの予感が的中してしまった。同監督は試合後、「前半が全て。私が札幌に来てから一番ひどい前半だった」と、2点を奪われた前半を敗因に挙げた。

「立ち上がりから選手の動きが重かった」と振り返る通り、開始8分であっさり先制を許した。ボールを持たれ、相手のスピードについていけない場面もあった。後半から投入されたロペスとFWドウグラス・オリヴェイラで崩し、チャンスも作ったが、後半ロスタイム3分のロペスの1発のみ。反撃は遅すぎ、5試合未勝利が決まった。

ちょうど1カ月前、3-1で勝利した7月26日ホーム戦と同じく“ゼロトップ”戦術を仕掛けた。だが当時から先発8人が変わり、すっかり様変わりした横浜を再び制することはできなかった。中6日で2日間のオフを経てリフレッシュして臨んだはずが、8人が清水戦から中2日で2試合連続の先発に起用された相手に、運動量で上回れなかった。だから「狙いとするマンツーマンの守備、奪ってからの攻撃を出せなかった」と肩を落とした。

チームにとって新型コロナウイルス禍の影響は残る。同監督はブラジルに一時帰国し合流して1カ月のロペスについて「まだ本来の状態に戻っていない」とみている。今節の遠征メンバー入りしなかったFWジェイは、英国にいる家族が来日できない寂しさで不眠や精神的疲労に悩み、指揮官と相談の上、ベンチから外れた。

8月に入ってリーグ戦1分け4敗、ミシャ体制初の5試合未勝利と苦しい時期だが、それでも試合は続く。1週間後の9月2日ルヴァン杯準々決勝。ホームでの横浜との再戦で4強入りを決めるためにも、乗り越えるしかない。【保坂果那】

▽前半は前線に入り、後半はボランチでプレーしたMF荒野 「マンツーマンがうまくはまらず、ミスパス、ロストが多かった。1人1人が暑い中、1歩が遅れた。勇気、強さを持ってプレーしないといけない」