北海道コンサドーレ札幌FW菅大輝(21)が、クラブ史上最年少の21歳11カ月20日でJ1リーグ100試合出場を達成した。

名古屋グランパス戦に定位置の左サイドで出場し、攻守に奮闘した。後半ロスタイム7分、MFルーカスがPKを外し0-0で引き分け、菅は節目のゲームを勝利で飾れなかった。チームは8月は白星を挙げられず、6連敗した17年以来の6戦連続未勝利(2分け4敗)となった。

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節目の出場記録を迎えた21歳の菅に喜びはなかった。何度も敵陣に攻め込み、後半ロスタイムにはPKを獲得した末にスコアレスドローの結末。「今日は死ぬ気で勝ちだけを意識して臨んだ。勝てなかったので悔しい気持ちでいっぱい」。自らの出場記録すら「さっき知った」と試合後に知るほどこだわってはいなかった。6戦未勝利の結果を悔やんだ。

東京五輪世代の菅が日々の取材で口にしてきた「結果」。この日も何度も左サイドを駆け上がった。前半から積極的なプレーを展開。豊富な運動量で相手をかき回し、後半32分にはペナルティーエリア内でMFルーカスから受けて左足で蹴り込んだ。「もう少し思い切り蹴ればもしかしたら入っていた」。決定機での1発は、相手GKがはじいたボールがゴールラインを割ろうとしたが、DFにクリアされノーゴールとなった。

J1デビューしたプロ1年目の17年に23試合出場すると、ペトロビッチ監督が就任した18年に33試合、昨年31試合と積み上げてきた。昨年12月にはA代表初選出の東アジアE-1選手権で同代表デビュー弾を決めるなど急成長したが、1年延期となったオリンピック(五輪)については「(今年7月に五輪があった場合は)メンバーには確実には入れていなかった」と危機感を口にしたこともあった。この日、改めて五輪への思いを問われ「かなりチャンスがある」と前向きに話し「日本を代表する左サイドアタッカーになりたい」と夢も語った。

チームは後半ロスタイム7分に獲得したPKをMFルーカスが外して6試合ぶりの白星を逃した。次戦は9月2日に26日リーグ戦で1-4で敗れた横浜F・マリノスとルヴァン杯準々決勝で激突する。菅は「前回負けたことは気にせずに自分たちがやるべきことを意識していきたい」と力を込めた。【浅水友輝】