ベガルタ仙台は20日、元バルセロナのスペイン人MFイサック・クエンカ(29)が退団したと発表した。

クラブは同選手と右膝のけがについて慎重に協議を重ねてきたが、母国で治療に専念するために双方合意の上で退団に至ったという。オンラインで取材に応じた竹村栄哉強化部長(47)は「(復帰まで)時間がどれぐらいかかるかも分からないし、本人から母国で治療したいという強い申し出があり、こういう結論になった」と説明した。

昨年2月にもスペインで右膝を手術しているクエンカは、宮崎県内で今年1月末から2月半ばにかけて行われた1次、2次キャンプは一部メニューを回避しながら調整していた。しかし、3次キャンプ2日目の2月17日を最後に右膝の違和感を理由に練習場へ姿を見せなくなった。同28日に帰国し、3月5日に手術。同21日に再来日し、2週間の隔離期間を経て今月6日にメディカルチェックを行い、11日にはホーム横浜戦をスタンド観戦していた。しかし、退団に伴って19日に再び帰国した。

19位に低迷する仙台は新助っ人としてFWオッティが10日、GKストイシッチが12日に合流。オッティは前節17日の横浜FC戦で途中出場し、デビューを果たした。MFフォギーニョは10日に入国し、FWフェリペ・カルドーゾも入国可能になり次第、来日する予定だ。竹村強化部長は「クエンカは合宿の時点でいなかったので、そこを見据えてではないが、新しく来る外国人選手に頑張ってもらいたい」。リーグ戦で苦戦しているが「クエンカの分まで一致団結して戦いたい」と語った。

クエンカはクラブを通じて「最高のレベルのプレーを示せなかったことをおわびしたいと思います。これからベガルタ仙台が繁栄し、J1に残り(仙台の)街の人たちが幸せになることを望んでいます」とコメントした。サガン鳥栖から加入した昨季はリーグ戦15試合無得点で、今季は出場ゼロ。期待の助っ人は不完全燃焼で仙台を去った。