横浜FCのFWカズ(三浦知良、54)が、4部相当のJFL鈴鹿に移籍することが26日、決定的になった。

複数の関係者によると、鈴鹿の内部告発問題は解決の見通しで、カズは早い段階からオファーを受けていた鈴鹿へ気持ちを固めているという。日産スタジアムでのイベント後に取材に応じたカズは「もう自分の中では絞れている」と、結論が出ていることを明かし、年内にも発表予定。兄の三浦泰年氏が監督兼GMを務めるクラブで55歳の新シーズンを迎えることになる。

今季を終えたカズは、出場機会を求めて移籍にかじを切り、これまで8クラブが獲得に動いていた。クラブを決めるポイントとして「身近な目標があるところ」と明言。鈴鹿は移籍が表面化する前からオファーを出し、吉田雅一社長(40)も今月初旬に「来ていただけると信じている」と自信をのぞかせていた。

その直後、鈴鹿は元役員による内部告発とする投稿が続き、クラブが警察に相談する騒動となった。クラブは元役員に2500万円を支払ったことも公表した。一時は、地域リーグのおこしやす京都も有力候補に浮上した。

関係者によると、このほど、元役員が告発した八百長の件は対戦相手を含め両クラブが完全否定。持続化給付金の不正受給の疑惑も大きな問題とはならない見通しが立ったという。そのため、鈴鹿への移籍が加速した。55歳のカズが、JFLの舞台で“兄弟タッグ”を組むことになりそうだ。

◆鈴鹿ポイントゲッターズ 09年に鈴鹿ランポーレとして創設され、20年に現クラブ名に変更。10年から東海リーグ1部、JFLに昇格した19年からスペイン女性のマルティネス監督が就任し、今年7月まで指揮した。19年は12位、20年は5位、今季は4位。今年2月にJリーグ百年構想クラブに認定、9月にJ3ライセンスが交付された。本拠地は三重・鈴鹿市。

○…鈴鹿の吉田雅一社長(40)は今月初旬、カズ獲得について「我々としては来ていただけると信じている。年内に決まってほしい。吉報を待ちたい」と答えていた。チームはほぼアマチュア選手で構成され、午前中に仕事をして午後から練習という形態。今季チーム最多得点は、柏などJクラブに所属経験のある7ゴール(ランク19位)のFWエフライン・リンタロウ。