北海道コンサドーレ札幌は26日、札幌ドームで広島とのホーム開幕戦を迎える。期限付き移籍で加入した元日本代表のFW興梠慎三(35)が、ホームゲームに初見参する。25日は札幌ドームで行われた練習に参加した。チームは勝てばクラブJ1通算100勝目を達成する。地元サポーターの前での勝利へ気合は十分だ。

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赤黒のユニホームを身にまとった興梠が、いよいよ地元札幌のサポーターの前でピッチに立つ。前日練習を終え、顔に汗を浮かべながら思いを口にした。「ついに札幌でのホーム開幕ということなので気合は入っています。これまでキャンプで練習してきたことを出せるように、しっかりやっていきたい」と気を引き締めた。

札幌ドームで公式戦を戦うのは浦和時代の昨年8月9日以来。これまでアウェーチームの一員として毎年のように試合をしてきた場所だが、忘れられない苦い思い出がある。17年7月29日、昇格組だった札幌相手に0-2で敗戦。当時ともに浦和で戦っていたペトロビッチ監督(64)は翌日に解任された。「ミシャのレッズでのラストマッチがここだったのでいいイメージはありませんけど、いいイメージになれるように頑張りたい」と払拭(ふっしょく)を誓った。

この日はパス回しの練習やランニングなどで体を動かした。ミニゲームには参加しなかったが「(ヒザの)ケガを抱えている状態なので、今日はあまり無理せずに」と体の状態と向き合いながら調整した。

19日清水との開幕戦では先発フル出場した。ペトロビッチ監督は「清水戦の前も彼はうまく調整した中で出場してくれた。今週もうまく調整できていると思う。明日のゲームは先発から出場して、明日こそは札幌での初ゴールを決めてほしい」と期待を寄せた。

チームは勝てばクラブJ1通算100勝目を飾る。「去年より違った強い札幌を見せないといけないと思う。内容にもこだわりつつ勝ち点3を取れるように頑張っていきたい」。J1通算158得点のストライカーが、冬の札幌ドームを熱く盛り上げる。【山崎純一】

○…札幌のホーム開幕戦を前に会場の準備も整った。22日からの大雪の影響で札幌ドームのホヴァリングサッカーステージにも雪が降り積もる状況だった。それでも関係者たちの懸命な除雪作業によって、24日夕方にはピッチ上の雪はなくなり、この日の前日練習にも間に合った。チケットは前売りで約1万枚が売れており、多くのサポーターがホーム開幕を心待ちにしている。

○…ペトロビッチ監督が“ミシャジョーク”で報道陣を和ませた。ホーム開幕戦を前に取材に応じると、第一声で「雪でなかなか交通状態が難しい中、これだけ多くのメディアの方に集まっていただけるとは」と敬意を表した。そして「こんなにメディアの方がたくさんいらっしゃるのであれば、(日本ハム)新庄監督のように赤いスーツに、高い襟のシャツを着てきたのですが」と、通訳の杉浦大輔コーチ(47)を通じてジョークを飛ばした。

19日清水との開幕戦は1-1のドロー。続く23日ルヴァン杯鳥栖戦を2-2で引き分け、J1通算100勝達成は、ホーム開幕戦に持ち越された。「札幌は常に攻撃的な戦いを見せたいと思っている。相手より1点でも多くとって勝利する。それが我々の目指すサッカー。いいゲームをして北海道の方たち、我々のサポーターに勝利を届ける。それを明日のゲームで全力で成し遂げたい」と話した。