ACミランの中国の投資グループへの売却が当初、予定されていた来月13日のクラブの株主総会から、年明け以降に延期される可能性が出てきたと30日付の伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトが報じた。同紙は、売却は来年1月31日から2月15日の間になるのではないかとみている。

 ACミランは投資グループに、シルビオ・ベルルスコーニ会長(80)が保有する99・93%の株式を、7億4000万ユーロ(約888億円)で売却することになっていて、既に手付金として1億ユーロ(約120億円)を受け取っている。ベルルスコーニ会長が設立した、ASミランの親会社の持ち株会社フィニンベストは、第2回の支払金として8000万から1億ユーロを支払うよう、投資グループと交渉しているという。

 その上で、ガゼッタ・デロ・スポルトは、1月の移籍市場についての動きには、投資グループ側の承認がいると報じた。同紙は放出候補としてFWバッカ、ルイス・アドリアーノに加え、日本代表FW本田圭佑の名も挙げているが、放出する場合も中国側の承認と買い手が必要となると報じた。

 同紙は24日付で、売却が決まらなかった場合は、ベルルスコーニ会長が「私は喜んでミランを取り戻す。もし売却が決まらなければ、イタリア人の若手でチームを作り上げていく」と宣言したと報じた。また同会長は、売却が成立した場合も「移籍市場や試合でのシステムなどに意見を言うことができるなら、中国人オーナーになった後、名誉会長の役職を引き受ける。ガッリアーニ副会長も残るという条件も入れたい」と“院政”を希望したことも報じている。(波平千種通信員)