西アフリカ・リベリアの大統領選決選投票で、選挙管理委員会は28日、開票率98・1%での得票率を発表し、61・5%を得たサッカーの元国際的スター選手で野党候補のジョージ・ウェア氏(51)の勝利が確実となった。与党のジョセフ・ボアカイ副大統領(73)は38・5%だった。

 リベリアは最貧国の1つで、昨年6月まで2年以上にわたり流行したエボラ出血熱で医療体制が崩壊。ウェア氏は貧困解消などを訴え、若者を中心に支持された。

 大統領選は、ノーベル平和賞受賞者エレン・サーリーフ大統領(79)の任期満了に伴い実施。内戦など政情不安が続いたリベリアで、民主的な政権交代は70年以上ぶりとなる。

 ウェア氏は92~95年にパリサンジェルマンでプレーし、その後、ACミランなどで活躍。驚異的な身体能力から「リベリアの怪人」と呼ばれ、95年にはアフリカ人で唯一となるバロンドールを受賞した。2008年には、福島県郡山市に発足したクラブチームの総監督に就任したこともあった。

 前々回の05年大統領選にも出馬したが敗北、サーリーフ氏がアフリカ初の民選女性大統領として当選した。

 ウェア氏は隣国シエラレオネの内戦に加担し収監中のチャールズ・テーラー元大統領の元妻を副大統領候補に指名しており、テーラー氏の勢力の復権を懸念する声も上がっている。