スペイン1部レアル・マドリードの下部組織に所属するMF中井卓大(18)が、新たに2年契約を結んだことを24日に発表した。これまではユースにあたるフベニールA(19歳以下)でプレーしていたが、トップチームの1つ下のカテゴリーであるカスティージャ(3部相当)に所属する。中井は「世界一のクラブと契約更新できたことをとても誇りに思います。初めて契約書にサインしたときと同じ気持ちで、チームにとても感謝しています」などとコメントした。

中井は13年、9歳で下部組織に加入。国内で行われたRマドリードのスクール事業に参加した際に力を認められ、現地でのテストを経て入団を勝ち取った。激しい競争の中で力をつけ、20年にはトップチームの練習に参加するまでに成長。昨年は17歳ながら飛び級でフベニールAでプレーし、試合で得点も決めている。カスティージャでもすでに実戦経験がある。

カスティージャには選手の年齢制限はない。元スペイン代表のラウール・ゴンザレス氏が監督を務めており、トップチームが公式戦の際にはメンバーとして招集されることもある。トップチームからレンタル移籍している日本代表MF久保建英(20=マジョルカ)とともにRマドリードから将来を期待される日本人が、トップ昇格の快挙まであと1段階のところまできた。【岡崎悠利】

◆中井卓大(なかい・たくひろ)

◆生まれ 2003年(平15)10月24日、滋賀県出身。

◆サッカー歴 アスール滋賀でプレー。13年にRマドリードが日本で開催したスクールに参加し優秀選手に。9歳で下部組織入り。

◆日本代表 18年10月にU-15日本代表に招集経験あり。

◆クラブの期待 20年にトップチームの練習に参加。

◆愛称 「ピピ」。幼少期に思い通りできないとピーピー泣いていたことから。スペインでも「PIPI」。

◆体格 180センチ、65キロ

◆Rマドリードの下部組織 8歳以下のチームから1歳ごとの年代別に構成されている。実力によって飛び級で上のカテゴリーでプレーする選手もいる。例年は6月頃に上のチームに進むための選考が行われる。トップチーム昇格までたどりつくのはごく少数。カスティージャ所属になると、23歳未満またはプロ契約をしている25歳未満の選手はトップチームに招集することも可能になる。