スペイン代表DFパウ・クバルシ(19=バルセロナ)が、同国のマリアノ・ラホイ元首相が「フランス代表にはフランス人選手が1人もいない」と主張したことについて、異議を唱えた。米ESPNなどが報じた。
ラホイ氏の発言は、14日(日本時間15日)に行われる北中米ワールドカップ(W杯)準決勝スペイン対フランスを前にスペイン紙『エル・デバテ』のコラムでなされた。
これについてカタルーニャのラジオ局『RAC1』から問われたクバルシは、その見解に異議を唱えた。
同DFは「もし彼らがフランス代表としてプレーしているのなら、肌の色に関係なく、結局のところ彼らはフランス人である。なぜなら、我々は最終的にすべての人に対して寛容でなければならないから」
「我々は皆人間であり、誰もが尊重されるべき存在であるため、肌の色は関係ない」などと語ったという。
ラホイ氏の発言は、スペイン国内の政治家からも厳しい批判を浴びている。
スペインのオスカル・プエンテ運輸・持続可能モビリティー相は、ラホイ氏を「頭の鈍い、ポスト・フランコ主義の悪党」と呼んで非難した。
現在のペドロ・サンチェス首相も、前任者の名前こそ出さなかったものの、Xでこの発言に言及し、「いまだに、名字や出生地、肌の色で帰属意識を測る人々がいる。一方で、国へのルーツや貢献する意志によってそれを測る人々もいる。サッカーをプレーすること。高齢者をケアすること。あるいはビジネスを立ち上げることで。フランスよ、準決勝でお会いしよう。最高のチームが勝利し、人種差別が敗北することを願う」と記した。
一方、マドリードのフランス大使館は「論争に巻き込まれることは望まないが、事実を振り返る価値はある。フランス代表チームの全選手はフランス人である。26人の選手のうち、23人はフランスで生まれている。海外で生まれた残りの3人もまたフランス人である」としている。
フランスの複数の閣僚も、ラホイ氏を人種差別的であると非難している。
フランス社会党のオリビエ・フォール党首は「フランス代表チームはフランス人のみで構成されている。フランスは民族国家ではない。肌の色も宗教も持たない。共和制の理念のもとに団結した政治的国家である。人種差別的な右派にとっては非常に残念だろうが」と投稿。
フランスのナイマ・ムチュ海外領土担当相は「レ・ブルー(フランス代表)が勝利するたびに、同じような妄執と人種差別的な侮辱が再び浮上する」
「これらは単なる失言ではない。フランスという国、そしてそのあり方に対する、組織的で常態化した憎悪である」と記し、フランスサッカー連盟に対し、ラホイ氏への法的措置を取るよう求めた。
ラホイ氏の発言は、フランス代表FWキリアン・エムバペがパラグアイのセレステ・アマリジャ上院議員による人種差別的な発言に対し、彼女を「その職にふさわしくない卑劣な女性」と非難して声を上げた後に起きたものだ。


