日本サッカーは世界一という夢に向かって前進を続ける。選手の海外進出に負けじと欧州の最前線で戦う代理人がいる。ドイツの大手サッカー代理人事務所「Sports360」に勤める龍後昌弥さん(34)。W杯北中米大会の日本代表メンバーに担当選手を5人送り込んだ。32強で敗退した日本代表戦全4試合を現地観戦。感じた日本の伸びしろを語った。
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一般的に選手を移籍させて手数料で稼ぎまくる黒幕というイメージもある代理人だが、龍後さんは違う。「主役は選手。彼らが自己実現したい未来を共に描いていく」。選手と徹底的に向き合い「伴走者」として高みを目指してきた。
今大会ではMF久保、DF菅原、FW小川、DF瀬古、FW塩貝の5人に加え、大会後に加わったMF鎌田も含めて担当選手が活躍した。ピッチで躍動する姿に歓喜し、久保の負傷には心を痛めた。日々の取り組みを間近で見ているからこそ「いろいろな感情がわき上がっていました」。
印象深いのは決勝トーナメント1回戦ブラジル戦。試合終了間際に決勝点を奪われる逆転負けに「もっとできたことはあったのではないか」と考えさせられた。試合後に選手たちと会話するなかで感じたのは彼らが自らに矢印を向ける素直さ。サッカー界全体として成長の余地はまだまだあると実感した。
「世界と交渉していく我々エージェント、そして情報を発信していくメディアも、育成からプロまでの指導者も含めて、関わる全員が自分たちにできることはなにかを追求しないといけないのではないかと。僕らの場合でいえば、選手たちをよりよい環境、チームに導ける政治力、交渉力、コネクションを磨かないといけないと痛感しました」。
同じく32強で敗れたドイツと日本の報道の違いも示唆に富んでいたという。ロッカールームの会話や監督の緩み、PK戦での選手の姿勢などを詳報。「徹底的に厳しく追及する中に問題提起があるのかもしれません」と提起する。
世界中が熱狂する祭典を間近でみて、その影響力の大きさを体感した。次回は、より多くの担当選手とともに迎えることを見据える。「各選手と目標設定をし直して、4年後に向けてやっていきます。自分自身もエージェントとして、パートナーとして、影響力をつけないといけない。追求していかないといけない。もっとやれることはあるはず」。W杯優勝へ、「最強の代理人」は歩みを止めない。【佐藤成】


