シカゴマラソンで2時間5分50秒の日本記録を樹立した大迫傑(27=ナイキ)が強いメンタルの秘訣(ひけつ)を明かした。

21日、都内で行われた陸上教室に出席。参加した子どもの1人から「メンタルを強くするには」と聞かれ、「そうだな」と悩んでから、言葉を続けた。

「常にポジティブである。自分を励まし続けることは大事。練習ができなかった、自分は弱い、このままでいいのか、などと思う時もあっても、マイナスの考えのまま終わらない。これから良くなるじゃんという考えで終われば、常にポジティブになれる。ポジティブ=メンタルが強いことだと思う。常にハッピーでポジティブでいること」

超一流選手が集う米国の「ナイキ・オレゴンプロジェクト」にアジア人で唯一拠点を置き、海外レースでも臆せず、結果を残す。米国での生活も、少しずつの成長を実感できていたから、つらい時期は「特になかった」と話している。そんな男の言葉には、説得力があった。

この陸上教室は「マニュライフ生命」が主催。12年ロンドンオリンピック(五輪)男子800メートル代表で「ナイキTOKYO TC」の横田真人ヘッドコーチ(30)ともに約1時間、子どもたちへストレッチや走り方の指導を実施した。大迫は「子どもたちからエネルギーをもらった。フレッシュな気持ちは忘れがちとなるが、また僕自身も新たな目標へ向かって、頑張っていきたい気持ちが強くなった」と話した。

次のマラソンは東京(来年3月)の可能性が高いが、まだ決定はしていない。記録には興味を示さず「次のマラソンでは優勝争いをする。シカゴマラソンより、トップ選手と競い合うのが、次の目標になってくる」。日本記録を出したシカゴは3位。35キロまでは先頭に食らいついた。足りなかった残り7キロを伸び代とポジティブに捉え、次の目標とする。