昨夏の全国高校総体で男子100メートル、200メートルの2冠に輝いた築館・鵜沢飛羽(とわ、3年)が、今季公式戦初レースの男子100メートルに出場した。決勝は向かい風3・4メートルの悪条件にかかわらず、ただ1人10秒台の10秒62で圧勝した。

決勝までの2本とも向かい風で、今季公式戦1本目の予選は向かい風2・6メートルで10秒62を記録。決勝のスタートは「いつもよりは切れた」と、勢いづいて約40メートル付近から抜け出すと、2位以下を大きく引き離してゴールを駆け抜けた。「高校生と走る大会はラストだと思うので気持ち良かった」と振り返るも、「10秒40が目標だったので、達成できなかったのは力不足」と険しい表情で納得してなかった。

目標の10秒40は、10月に開催される日本選手権(新潟)への参加標準記録。鵜沢はコロナ自粛後の7月に行われた記録会で10秒46を出し、同記録突破に向けて状態を仕上げきた。今後は「日本選手権の標準記録を切るチャンスが少ない。数日後に大会もあるので、大切に過ごしていきたい」。今大会は200メートルにも参戦し、今日11日は予選を迎える。20秒80の同標準記録を突破し、大会2冠をつかんでみせる。【相沢孔志】