フィギュアスケート男子で18年平昌、22年北京の五輪2大会連続メダルの宇野昌磨さん(28)と女子で16年世界ジュニア選手権王者の本田真凜さん(24)が電撃復帰する。22日に都内で会見し、アイスダンスチームを結成して来季から競技会に出場すると発表した。所属はトヨタ自動車となり、30年フランス・アルプス地域で行われる五輪出場の目標を公言。交際関係も公表しているビッグカップルが、競技の世界に帰ってくる。
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ちょうど2年前の24年5月。シングル引退を表明したその日と同じ場所に、宇野さんは立っていた。今度は、同年1月に競技から身を引いていた本田さんと2人で。緊張した面持ちでマイクを握ると「私たちはアイスダンスチームを結成し、競技へ挑戦することを決意しました」と表明した。掲げた「目標」については「とても大事な部分なので、2人の口から」と前置き。「せーのっ」と息をそろえると、「2030年オリンピックに出場することです!」。大きな夢を、まっすぐに言い切った。
「なんのオリンピック?」。24年、ともに出演予定だったアイスショーへ向けた練習中、宇野さんから突然「一緒に五輪を目指そう」と告げられた本田さんは、思わず目を丸くした。宇野さんの思いに迷いはなかった。本田さんのスケートに可能性を感じ、「より多くの人に真凜の素晴らしさを伝えたい」というのが一番の理由だった。
本田さんもまた、その思いに心を動かされた。五輪は、競技を始めた頃から思い描いてきた夢。「まだスケートでかなえなければいけないことがある。かなえるべき場所であるし、必死にかなえないといけない目標」。シングルでは届かなかった舞台へ、今度は二人三脚で向かう決意を固めた。
同年10月から2年後の競技復帰を見据えて本格的な練習を開始。「五輪がどれだけ難しいか分かっている」(宇野さん)と、すぐに大会へ出場する選択ではなく、じっくりと基礎を固める道を選んだ。本田さんも「やるからには勝てる状態で試合に」と覚悟をもって準備期間を過ごした。拠点やコーチ、演目などの詳細は未定だが、今秋の全日本選手権予選会への出場を見込む。宇野さんは「いい結果を目指すし、勝ちにもいく。その上で、楽しさや面白さ、人間性も表現できるように」と思いを込めた。
2月のミラノ五輪では、日本勢がシングル男女とペアで銀メダル以上を獲得した一方、唯一出場を逃したのがアイスダンスだった。愛称「しょまりん」の2人にも高い壁が立ちはだかるが、孤独ではない。
「シングルとの違いは、2人であること。つらい日も楽しくなる」と宇野さん。本田さんも「昌磨くんとなら実現できる」と笑った。4年後、日本悲願の団体金メダル、そして同種目で日本勢最高の15位超えを目指す。夢と話題にあふれるカップルが、競技人生の続きを描き始めた。【勝部晃多】
◆本田真凜(ほんだ・まりん)2001年(平13)8月21日、京都市生まれ。12年全日本ノービス選手権B(満9~10歳)を当時の歴代最高スコアで制覇。16年世界ジュニアは初出場優勝。大阪・関大高から青森山田高へ編入。家族は両親と姉、兄太一さんと妹2人で、姉以外の4人がスケート経験者。妹で俳優の望結、紗来は芸能活動を行っている。163センチ。
◆宇野昌磨(うの・しょうま)1997年(平9)12月17日、名古屋市生まれ。愛知・中京大中京高から16年に中京大進学。同年4月に国際スケート連盟(ISU)公認大会で史上初の4回転フリップ成功。五輪の個人は18年平昌銀、22年北京銅。世界選手権は22年から日本勢初の2連覇。157センチ。


