フィギュアスケートのチャレンジャー・シリーズ(CS)木下グループ杯は4日、東京・田中貴金属アイスアリーナで開幕する。3日の前日練習には、個人の中立選手(AIN)で出場するロシア勢で22年北京五輪女子銀メダルのアレクサンドラ・イグナトワ(旧姓トルソワ)が参加。結婚と出産を経て約4年半ぶりに国際大会へ復帰する22歳に対し、世界ジュニア選手権4連覇の島田麻央(17=木下グループ)や2月のミラノ・コルティナ五輪銅メダルの中井亜美(18=TOKIOインカラミ)らが挑む。
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島田が目を丸くした。リンクサイドから見つめたのは、イグナトワの練習。1歳の男の子をベビーカーで押しながら会場入りしたママは、氷に乗ると高難度の4回転ルッツを軽々と跳んでみせた。「生ではこんな感じなんだ。すごく良い刺激をもらえた」。シニアの国際大会デビュー戦を迎える17歳は「すごくわくわく」と心を躍らせた。
今大会には、強豪ロシア勢がAINとして参戦。22年のウクライナ侵攻後は国際舞台から遠ざかっていたが、久々の復帰となり、ロシアメディアも10社が取材に訪れる。他国の若手選手にとっては初競演の舞台。島田は「ジャンプの高さや力強さが違う」と驚きを口にした。
競技会では強敵となるが、向上心をかき立てる存在でもある。4回転トーループやトリプルアクセル(3回転半)の大技を操る島田は「自分も4回転ルッツを跳びたい思いがある」と意欲が増した。ミラノ五輪銅の中井は、イグナトワが憧れだったと明かし「テレビで4回転をバンバン跳んでいる姿を見てかっこいいと思っていた。一緒に試合に出られるのはうれしい」と目を輝かせる。
今季は変化の年となる。女子はミラノ五輪金のリュウが休養し、銀の坂本が現役引退。そこにロシア勢の復帰が重なるが、島田は「ロシアがいる、いない関係なく、自分の演技ができたら」と言い切り、中井は「自分に集中してジャンプも成功できたら」と己に矢印を向けた。顔ぶれは変わるが、やるべきことは変わらない。高校3年生の2人が、30年冬季五輪へスタートを切る。【藤塚大輔】
◆ロシア勢の復帰の流れ ロシアは北京五輪後の22年2月にウクライナへの侵攻を開始。以降は国際スケート連盟(ISU)を含む多くのスポーツ団体がロシアと同盟国のベラルーシ選手を国際大会から排除していたが、24年パリ五輪から一部競技で厳しい出場基準をクリアした選手において、AINとしての出場を容認。ISUは今季からAINとして通常の国際大会への参加を認めた。


