女子決勝は桜花学園(愛知)が岐阜女に67-65で勝ち、2年ぶり21度目の優勝を果たした。エースの馬瓜(まうり)ステファニー主将(3年)が25得点でけん引。昨年の決勝で敗れた相手に雪辱を果たし、2年ぶりに総体、国体との3冠を達成した。優勝回数は男子の能代工(秋田)を抜き、男女を通じて単独最多となった。

 勝利の瞬間、馬瓜はボールを高く投げ上げ、両手を上げて喜びを爆発させた。涙を流し、チームメートと抱き合った。

 一進一退の攻防だった。第3クオーター(Q)に一時は岐阜女に逆転を許した。それでも、苦しい終盤に馬瓜が得点を重ね踏ん張った。残り30秒で2点差に迫られたが、決死のディフェンスで逃げ切った。

 負けられない理由があった。昨年の決勝。終盤に馬瓜のファウルがかさみ、残り1分で逆転負け。「自分のせいで負けた。今年はおまえのおかげで勝てたと言われるくらい頑張ろうと思った」。負けた日から練習再開。時には走り込んで動けなくなった状態から、あえてシュート練習したこともあった。1年かけて、終盤に負けない強さを鍛え上げた。

 馬瓜はガーナ人の両親を持ち、日本で生まれ育った。181センチの長身と高い身体能力を生かしたインサイドの攻撃が特徴だが、昨年の敗戦以降「外角のシュートやドライブ」と、スピードを生かした新たな武器も磨いた。11月のU-18アジア選手権では代表の主将を務めて準Vに導くなど、世代をけん引してきた。東京五輪の20年には22歳。日本女子バスケ界を担うべき存在が「次のステップにつながる1勝」と高校最後の大会を笑顔で終えた。【山本大地】