羽賀流のおもてなしだ。

 柔道の世界選手権(28日開幕、ブダペスト)男子100キロ級代表の羽賀龍之介(26=旭化成)が1日、粋なもてなしをした。

 地元の宮崎県延岡市での男子日本代表強化合宿に参加し、代表選手にアイシング用のビニールプールを寄贈した。

 最高気温34度の炎天下の中、体育館での稽古終了後、100キロ超級代表の王子谷剛志(25)らとともに大量の氷が入ったキンキンのプールに入水した。

 「本番も近いし、コンディション調整が大切。アイシングして疲労蓄積の軽減になれば」と意図を説明。「冷たいっ!!」と連呼しながらも、稽古で疲れた全身の筋肉を冷却した。

 先月下旬のフランス合宿でアイシングバスに入る外国人選手を目にして発案。ネット大手通販「アマゾン」で約9000円の大型ビニールプール(縦4メートル×横5メートル)を購入した。

 「アイシングバスは柔道界では珍しいかもしれないけど、こういった体のケアは絶対に必要だと思う」と、一流アスリートとしての意識の高さを伺わせた。

 先月の金鷲旗高校大会女子決勝で福岡・南筑高の大将、素根輝(そね・あきら、2年)がオール一本勝ちで5人抜きする大逆転を演じたことに刺激を受けた。

 羽賀も高1の金鷲旗大会で得意の内股を武器に“伝説の20人抜き”を成し遂げた。

 「思い出が一番ある大会。もっとこんな選手を見てみたいし、パワーをもらった。世界選手権では必ず連覇して、(優勝者に与えられる)赤ゼッケンを死守したい」と気合を入れた。