マレーシアGP予選で2台揃ってQ3に進出したマクラーレン・ホンダだが、アップデート空力仕様のフェルナンド・アロンソは土曜になってマシン挙動が悪化し10位に留まり、旧仕様のストフェル・バンドーンが逆に好走を見せて7位を獲得した。

 バンドーンはセパンを走るのが初めてだったが、金曜に習熟を進め予選では完璧な走りができたと笑顔を見せた。

 「マレーシアは僕らのクルマにあまり合っているとは思っていなかったけど、僕自身としても7番グリッドというのは望みうる最大の結果だったと思う。昨日はまだ出遅れてしまっていたけど、予選は走り始めから良い感触でドライブすることができたし、ミスもなく上手くまとめ上げることができたんだ。Q1からQ3まで、全てのラップがとても上手くまとめられたと思う」。

 一方のアロンソは不満顔で「昨日は良かったのに今日はあまり良くなかったんだ。本当に僕らが正しい方向に進んでいるのか、まだこれから分析をする必要があると思う」と述べた。

 決勝に向けては、両ドライバーとも予選に比べレースペースの不利を懸念しており、ポイントを獲得するのは容易ではないとの見方を示している。

 「僕らは予選に比べて決勝のペースで苦しむことが少なくない。それが僕らの弱点だから明日は今日よりも厳しいだろうし、ポイント圏内に留まることはタフなレースになると思う。ただの接戦ではなくて、6位から14位くらいまでが詰まった接戦だしね」(アロンソ)。

 「僕らは(予選の)1ラップペースはレースペースよりもコンペティティブだから、明日どうなるかは分からない。でも少なくともこのポジションからスタートすることができるわけだから、なんとか入賞圏はキープしたいね」(バンドーン)

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者もその点を心配している。「今の我々の実力からすれば良い結果だったと言えるとは思いますが、これが我々が目指しているところではないので手放しで喜ぶことはできません。ここのところ金曜・土曜ではそれなりの結果が見せられていると思うんですが、それをレースで結果に繋げられていないので、安心して『良かったです』と言える状況でもありません。シンガポールGPでやっと1台7位に入っただけですから、まだまだ足りていません」と、決勝で結果を手にすることが最優先だと語った。(米家峰起通信員)