2年ぶり5度目の優勝を狙う明成(総体2位=宮城)の八村阿蓮(あれん=3年)が、ついに大暴れした。準々決勝の広島皆実戦で、2年前に明成で3連覇を達成した兄塁(ゴンザガ大2年)を超える、1試合44得点。「得点を多くできたことは良かった」と笑顔を見せたが「それ以上に反省点が多い。フリースローもダメだし、ゴール下の簡単なミスもなくさないと」。勝ってかぶとの緒を締めた。

 前日26日の3回戦では前半で4ファウルし、佐藤コーチから大目玉を食らった。「今日も、ずっと気にしちゃってました」。チームに迷惑をかけたことも発奮材料。ゴール下でパスをもらい、フェイントで相手をかわす得意な形で先制点を奪うと、序盤から得点量産。「今日は相手に(背の高い)留学生がいないので、役割は中かなと思った」と冷静に結果を出した。

 それでも第4クオーター(Q)には、3点シュートエリアまで上がってボールを受けた。総体決勝で1点差負けした悔しさをバネにして磨き続けた“新技”を少しだけ披露。ドライブや、サイドに流れてのシュートなども決め、成長の片りんも見せた。「次は中も外も打って相手を混乱させたい。あと2つ勝たないといけないので、集中を切らさないようにしたい」。個人の得点よりも、優勝するために何ができるか。阿蓮にはそれしかない。【鎌田直秀】