卓球の世界選手権団体戦で3大会連続となる銀メダルを獲得した女子日本代表が8日、スウェーデンから帰国し、成田空港近くのホテルで会見した。

 南北合同チーム「コリア」が急きょ決まった時の舞台裏や心境を明かした。

 その一報を聞いたのは、準々決勝のウクライナ戦へ向かう前のホテルだった。もしウクライナに勝てば、準決勝はコリアに決まった。馬場監督はまず「勝利しないと何もならない。今日の試合(ウクライナ戦)を頑張ろう」と選手に伝えた。勝利した後は「対戦相手がどうであろうと、自分たちの試合をすることが一番大事」と言った。

 主将の石川佳純(25=全農)は「びっくりしました。正直、動揺もしました。こんなことがあるんだと衝撃を受けた」と回想した。「こういう時こそチームワークが大事」と思ったという。

 ツイッターで事態を知ったという伊藤美誠(17=スターツ)はハプニングを楽しんでいた。「ものすごくビックリしたのですけど、おもしろそうじゃんと思った。強いチームと強いチームが合体し、1人1人がエースの選手。早く試合がしたいとウクライナ戦でめちゃくちゃ頑張った」と振り返った。コリアとの準決勝も「気合100%だった」。

 平野美宇(18=日本生命)は「世界選手権でこんなことがあるんだとビックリした。相手に勝つのは同じ。全力で勝つしかないと思った」と落ち着かせた。急なハプニングだったが「注目された試合で勝ててよかった」と笑った。

 控えの2人は必死の応援でサポートしていた。通常は登録選手5人だけしか座れないが、コリアには急きょ10席に増設されていた。早田ひな(17=日本生命)は「えっ!? こっちは2人しかいないと思ったけど、日本のスタッフの方もベンチに入ってくれて、ベンチで10人分の声を出そうねと話した」。長崎美柚(15=エリートアカデミー)は「正直、こんなことできるんだと思った。倍の声を出そうと応援してました」と話した。

 3-0でストレート勝ち。想定外の事態を乗り越えるチームワークがあった。【上田悠太】