女子は岩佐明香(23=大林組)が2年ぶりの優勝を果たした。1回目に最長不倒の91メートルで唯一のK点越えをマークしてトップに立つと、2回目88メートルで首位を守った。「2本集中して飛べた」と笑顔を見せた。

社会人になって初めて迎えた冬のシーズン、心意気が違った。4月にJOCのアスナビを通じて採用された大林組に入社。競技に集中できる環境に「毎日、ジャンプのために自分がどうしたら強くなれるかを考えながら生活できている。そんな環境をいただけるのは少ない」と感謝の思いをあふれさせる。「私の挑戦は、会社のみなさんの挑戦」と、責任感を持って臨んでいる。

自信が持てるようになった。「私も会社のことを知りたくて」と、入社直後の新人研修に参加した。都内で過ごした約3週間。唯一のジャンプ選手の岩佐は、同期からの注目を集めた。「すごいね」とアスリートへの尊敬のまなざしを送られても、高梨沙羅(23=クラレ)らトップと競り合っていない現状に「まだまだ全然」と謙遜した。すると「私、飛んでてすごいでしょって言ったらいいじゃん」と声を掛けられ、「自分に自信を持たないと」と考え方を変えた。

今後はワールドカップ(W杯)メンバー入りを狙い、「パーソナルベストを更新したい」と、18年札幌大会での自己最高15位を超えることを目指す。来年1月のW杯札幌、蔵王大会へ「今季のピークを持っていきたい」と見据えている。【保坂果那】