新型コロナウイルスの感染拡大により、Bリーグ公式戦の残り全試合中止が決定してから一夜明けた28日、B1新潟アルビレックスBBは今季最後の全体ミーティングを行い、活動を実質的に終えた。

中断中に練習会場として使用したアオーレ長岡のフロアを選手、スタッフ全員で清掃して締めくくった。今後はSNSを利用したファンサービス、自主トレなどを行って来季に備える。

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今季最後の全員での仕事は、お世話になったアオーレ長岡の清掃だった。フロアのテープをはがし、モップやぞうきんをかけ、リングを丁寧に拭いて倉庫にしまった。「普段はあまりこういうことをしない。試合会場の設営をしてくれるスタッフのありがたさが分かりました」。主将の鵜沢潤(38)は言った。

2月26日のリーグ戦延期決定に始まり、3月14、15日の無観客試合、17日の再中断、そして27日のシーズン打ち切りの発表。揺れに揺れたこの1カ月、普段は試合を行うホームアリーナで先が見えない不安を打ち消すように練習を行った。池田雄一(36)は「感謝とこれからもお願いします、という気持ちで清掃した」と思いを込めた。

通常よりも約1カ月早いシーズン終了だが、来季の契約が決まるまでは新潟の選手としての自覚を持って行動する。ミーティングでは選手が集まっての食事会などの禁止、毎日検温などを行って体調をチームに報告することも確認された。「自分たちから感染者を出してはいけない。中止になったことの意味を受け止めなければ」。庄司和広監督(45)は自覚を促した。

試合を見せられなかったファンへのサービスも行う。SNSによる選手が出演する動画配信を継続し、収束状況を見て、子どもたちのスクールの訪問なども計画している。今村佳太(24)は「リーグ戦が再開したら、バスケットで世の中に力を与えられるようにしたい」と前を向いていた。【斎藤慎一郎】

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ミーティングで小菅学社長(46)から大河正明チェアマン(61)によるラモント・ハミルトン(35)、エグゼビア・ギブソン(31)、ニック・パーキンズ(23)の外国籍3選手への感謝が伝えられた。27日の中止決定後、小菅社長に電話があり「こういう状況でも残って活動を続けてくれたことは素晴らしい」と話したという。他球団で帰国を選択する選手がいる中、3人はチームに従って練習に励んだ。初来日のパーキンズは「誠実に覚悟を決めて臨んだシーズン。中断中も自分を磨こうとやった」。再開を信じて最後まで汗を流していた。