ウィンブルドンがついに中止となった。テニスの4大大会で、6月29日に開幕予定だったウィンブルドンは、主催者が1日、緊急理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止を決めた。大会が中止になったのは、1940~45年の間、第2次世界大戦で中止になって以来のことだ。

ウィンブルドンは、コートが芝で、その芝が育成される期間は限定的だ。また、ナイター設備がないため、開催時期が遅れれば、日没が早まり、日中の試合時間も短くなる。その点で、延期は非常に困難だった。また、ウィンブルドンは、他の大会に比べて、テニスだけでなく、社交の場という意識が高いため、当初から無観客での開催は選択肢になかった。

それでなくとも、英国のボリス・ジョンソン首相が新型コロナウイルスに感染。英国全土は外出制限が行われている。その中での大会開催は多くの観客、選手、スタッフのためにも無謀であり、現実的ではないと判断したとしている。主催のオール・イングランド・ローン・テニスクラブは、保険に入っており、損害は最小限に抑えられるという。

加えて、男子のATP(男子プロテニス協会)ツアーと、女子のWTA(女子テニス協会)ツアーは、ともに7月13日までのツアー中断を発表した。また、ITF(国際テニス連盟)が主管するジュニア、車いすテニスなどの世界ツアーも、同日まで中断となる。いよいよ、今年のツアー終了が現実味を帯びてきた。