男子テニスで元世界4位の錦織圭(30=日清食品)が、元モデルの山内舞さん(29)と結婚したことを発表した。一夜明けた19日、錦織は自身のSNSで、「アプリでのたくさんのメッセージをありがとうございます」と、ファンの祝福に感謝を述べた。日刊スポーツの吉松忠弘記者は、錦織が15歳の時から取材を続けてきたが、ゴールインした2人のなれそめをつかんでいた。

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年末の錦織へのインタビューは恒例となっている。山内さんと出会った14年末にも、単独で話を聞いていた。15年の新春の紙面を飾ったが、企画内容は20の質問に○×で答えてもらうものだった。「考えずに即答だよ」とお願いすると、「まじ?」と言いながら、答え始めた。

その中に、紙面にはならなかったが、冗談で忍ばせた質問があった。「今の彼女と順調だ」というものだ。即答して、そのまま次の質問に移れるなら使おうと考えてた。しかし、そこはうそがつけない錦織だ。「う~ん」とうなったまま、熟考した。

錦織の気持ちを察し、「じゃあ、パスで」と助け舟を出した。それ以上、その質問に触らなかったが、当時、交際していた女性とは別れたのだろうと推測した。その時、すでに結婚する山内さんと出会っていたのだろう。

こんなこともあった。欧州の大会で、練習の時に、観客席にいた山内さんにカメラが向けられたことがあった。実は、そのカメラは、違ったものを狙っていたが、その方向に山内さんがいた。その日、会場で開かれた会見の後、錦織が寄ってきた。「あのカメラはどんな人ですか?」。練習でも、彼女を気にかけている錦織に少し驚いたものだ。

15歳ぐらいで初めて出会ってから約15年。その間に、細くて、心もとない少年は、アジアを代表するアスリートとなり、国民的スターとなった。そして、自らの家族とともに、新たな人生を出発させる。