東京オリンピック(五輪)男子66キロ級の金メダリスト阿部一二三(24=パーク24)が、世界選手権2連覇の丸山城志郎(28=ミキハウス)との再戦を制した。
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国内トップ8選手が階級別日本一を争う大会で五輪後初戦を迎え、日本柔道初のワンマッチ(20年12月、東京五輪代表決定戦)で24分間の死闘を演じた丸山を、この日は反則勝ち(指導3)で退けた。ともに10月の世界選手権(タシケント)代表に選ばれた。
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再び主審の右手は阿部に上がった。伝説のワンマッチから約1年4カ月。2人にとって8戦連続のゴールデンスコア(延長戦)突入後も、攻めに攻めた。思わず丸山が守りの体勢で畳に崩れると3つ目の指導が出た。王者同士、再び相まみえて狙い通りの反則勝ちを奪った瞬間、阿部は「っしゃあ!」と叫び喜んだ。
進化を示した。五輪後は1カ月ほど休んだだけで練習を再開。新たに磨いた足技で崩すことで丸山の内股も封じた。反対に自身の指導1だけが前に出た姿勢を物語る。「金メダルを取って、より自信がついた。余裕があった。今までのように緊張して硬くならず、投げにいく柔道ができた」。五輪切符が懸かったワンマッチと単純比較できないものの、決着まで当時の24分から6分38秒に縮まった。
あの死闘の映像は見返していない。手の内を知り尽くす中で「気持ちで勝つだけ」と。宿敵を退け「やはり強かったけど、自分が五輪王者だと証明できた」と胸を張れば、男子代表の鈴木桂治監督も感服。あえて「こいつ、強えな」と敬語を使わず「丸山選手との試合では毎回ピンチがあったが、今日は押された状況が見受けられなかった。王者の意地が備わって一回り大きくなった」と称賛した。
五輪王者と世界選手権覇者。世界一ハイレベルな争いは、ともに代表入りした10月の世界選手権、そしてパリへと続く。通算対戦成績で5勝4敗と勝ち越し、さらに突き放す。夢の五輪V4へ邪魔はさせない。「まだまだ強くなれる。パリまで全勝して2連覇したい」。柔道と言葉に自信がみなぎっている。【木下淳】


