明大のスクラムの要が、唐揚げ効果? で戻ってきた。

ジュニア・ジャパンなどの代表歴を持つプロップ大賀宗志(4年=報徳学園)が、今季対抗戦初出場を果たした。後半21分に登場するとFW第1列で奮闘。出場時には観衆の大きな拍手に包まれ「ファンの方が待ってくださっていた。これからの(全国大学選手権での)3試合につなげたいです」とほほえんだ。

1年時は控え、3年となった昨季は先発で全国大学選手権の決勝を経験。右プロップとして存在感を示してきたが、最終学年の今季に試練が訪れた。6月の同志社大との定期戦で腰がヘルニアとなり、以降は1カ月間、安静に過ごした。コンタクトプレーはもちろん、スクラムで腰への負担も大きいポジション。早期復帰とはいかず「子どものころから見ていた国立の早明戦。4年生で、新しい国立でできてうれしい」と対抗戦9年ぶり国立開催の早明戦に照準を合わせてきた。

「ごはんは揚げ物を制限しました…」

復帰への過程では1月の全国大学選手権決勝時に115キロだった体重を、腰への負担軽減を目的に110キロにまで減らした。ごはんは一食600グラムが半分の300グラム。何よりつらい制限があった。

「明治の食堂は朝ご飯の唐揚げがおいしいんです。それも普段10個なのが(栄養士に)7個に制限されました。最高は20個食べたこともありました。周りのメンバーには『大賀は7個まで』と知られています…」

“唐揚げ3個減”の制限も守り抜き、紫紺のジャージーを着て立った大舞台。対抗戦2位で臨む全国大学選手権は準々決勝(25日、東京・秩父宮ラグビー場)から登場し、早稲田大(関東対抗戦3位)-東洋大(関東リーグ戦3位)の勝者との初戦から日本一を目指す戦いが始まる。

「(痛みの)不安は全くありません。試合勘は向上の余地があると思います」

昨季は決勝で帝京大に敗れて準優勝。大賀が欠場した今季の対抗戦でも、同じ相手に敗れた。リベンジへ、頼れる男が帰ってきた。【松本航】