第102回全国高校ラグビー大会が27日、開幕する。来秋のW杯フランス大会を控えて、次代を担う選手たちが聖地・花園で躍動する。「世界に飛び出せ、次世代のラガーマン」と題して、西日本の注目校を3回連載で紹介する。第1回は大会連覇を目指す東海大大阪仰星(大阪第3)。高松北(香川)と大分東明の勝者と30日に初戦の予定だ。

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人一倍声を出し、チームを引っ張るフランカーがいた。昨季王者・東海大大阪仰星(大阪第3)で主将の松沼寛治(3年)だ。昨季も花園に出場し、全国優勝に貢献。スピードが持ち味で、高校日本代表候補にも選ばれた実力者だ。仲間をけん引する立場で臨む花園に「2年生であれほど感極まるものがあって、今年優勝したらもっとすごいものになるんじゃないか。必ず達成したい」と目を輝かせた。

競技を始めたのは、幼稚園年長のとき。友人の紹介でラグビー体験教室を訪ねたことから、自身のラグビー人生がスタートした。

「体と体をぶつけ合うので、その分、ノーサイドしたあとに絆ができる。ラグビーを通して仲間もたくさん増えて、僕の人生を豊かにしてくれた」

ラグビーに魅了され、名門東海大大阪仰星の中等部に進学した。もともとラグビーに詳しくなかった家族も、息子の努力を見て競技を研究。今ではアドバイスまでしてくれるようになった。「いつも見てくれてて(家族の存在に)助けられてます」と感謝した。

中等部でも主将。ラグビーの理解度が高く、人望もあることから、高校でもリーダーを任されることは明白だった。残る不安要素は「感情を表現できるか」だったが「去年の全国大会中に感情を爆発させてる姿を見て、いけるな、と思いました」と湯浅大智監督。大会連覇に挑むチームで、総勢100人以上の部員をまとめる姿に「1年ですごく成長した」と目を細めた。

松沼自身も、変化を実感している。

「去年は自分から積極的に発言したり、前に出たりすることは少なかったんですけど、3年になって自分が示していかないと、という思いが強くなった」

主将らしく「ワンチーム」を大切にする。部員全員が当事者意識を持って気持ちをひとつにすること-。仲間に訴え続けた言葉がある。「一瞬の妥協が後悔につながる」。昨年の主将・薄田周希(現東海大)が卒部時に残した「悔いの残らないように」という思いを受け継ぎ、ここまで来た。

湯浅監督は、今年のチームを「特徴がない。コツコツやるだけです」と見る。一芸に秀でたチームではないが、だからこそ、一致団結して相手にぶつかっていく。本番が迫る。主将は「大会では、持ってるものを全て出して悔いの残らないようにやりたい」と力強く話した。【竹本穂乃加】

◆松沼寛治(まつぬま・かんじ)2004年(平16)9月21日、兵庫県生まれ。地元の尼崎ラグビースクールで競技を始める。中学時代は東海大大阪仰星中等部でプレーし、太陽生命カップで3連覇。東海大大阪仰星では昨年度、花園に出場。176センチ、90キロ。