関東大学ラグビーリーグ3部1位の新潟食料農大が10日、来季の2部昇格を懸けた入れ替え戦で、2部8位の国士舘大と東京・国士舘大多摩グラウンドで対戦する。20年に創部し4年目。5部からスタートし、今季3部では7戦全勝優勝。公式戦22連勝(22勝1敗)で2部への挑戦権を得た。3部から2部への昇格は15年以来ないという、厚い壁がある。部とリーグの歴史を変える一戦に臨む。

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決戦の舞台、東京入り直前の自校での練習開始前、谷崎重幸監督(65)が胸をたたきながら新潟食料農大フィフティーンに言った。「最後は、ここの勝負だぞ」に選手の表情が引き締まる。

20年創部から4年目、全学年選手がそろった。20年の5部はコロナ禍で昇格のない交流戦扱い。20年初戦の順大戦こそ21-73で敗れたが、続く東経大戦で初勝利を挙げると、今年の3部最終戦の千葉大戦まで公式戦22連勝で2部昇格挑戦権を得るまで駆け上がった。3部から2部昇格は15年に朝鮮大が玉川大を入れ替え戦で破って以後7年間ない。リーグ8年ぶり快挙への挑戦ともなる。

それでも谷崎監督は「国士舘大と試合をするだけのこと」とプレーに集中するように強く説いた。選手にも伝わっている。「『迷ったら前へ、迷わずに前へ』。谷崎先生に言われていることをやるだけ」とゲーム主将のフランカー尾沼尚樹(3年)は自分たちの戦い方に徹することを強調した。

NO8石川智也主将(4年)は「学生ラストの試合が入れ替え戦。いい形で終わりたい」と言った。連勝を支えてきた武器はFW。4年生は18人全員が高校ではFWだった。そこを土台に磨きをかけた。3部優勝を決めた千葉商大戦(54-31)では8トライすべてをFWで奪った。専用グラウンドがなく、胎内市近郊の公園などを借り歩く。その環境の中、固いバインド、低いスクラム、コミュニケーションと質の高さを追求してきた。

石川主将は「体は大きいし、やはり強い」と国士舘大の強さを認める。同時に「そういう相手とやるのが楽しみ。4年生は特に負けん気が強いので」。今季は前半にリードを許す展開もあったが、勝ちながら経験も積んだ。尾沼は「自分たちは常に挑戦者。いつも“ジャイアントキリング”を起こそうとやってきた」。快進撃継続での新潟への凱旋(がいせん)を誓った。【斎藤慎一郎】