川越東(埼玉)が3大会ぶり2度目の挑戦で花園初勝利を挙げた。
共同主将のプロップ寺山公太(3年)が攻守の起点になった。前線で体を張って安定をもたらし、隙を突いた突進もあった。随所にセンスの良さを見せて、チームをリズムに乗せた。勝利後、もう1人の主将・高尾将太(3年)らとがっちり抱き合って喜んだ。
川越東は私立の進学校で、3年生21人のうち10人ほどが年明けの大学入学共通テストを受験し、国公立や難関私立に挑戦する。
寺山は今年、全国模試の英語で全国1位をとった。父の転勤について小学校の5年間、香港で過ごし「英語は得意です」。学業で筑波大への推薦入学が決まっている。グラウンド内外で“大一番”を控えた仲間の負担を少しでも減らそうと、宿舎で勉強に付き合ったり、相手チームの研究に励んだりと裏方の仕事もこなしている。
両親の影響も大きい。寺山の父裕樹さん(52)は早大、アサヒビールで活躍した元アメフト一流選手。ライスボウルを制し、日本代表として03年の世界選手権優勝も経験した。母順子さん(52)は高校、大学、企業でチアリーディングを続け、世界大会で活躍した。
両親は花園で晴れ姿を見届けた。裕樹さんは銀行マンで海外勤務が長いため、ほとんど帰国できない。埼玉県予選の決勝は韓国から日帰りで観戦。今回は3回戦まで観戦できる。同校初の1勝を喜び「成長しましたね。見ていて安心感があります。主将としてもよくやっていると思います」と目を細めた。
寺山は小・中学生のころから「どういう気持ちで試合に臨むか」「どうやったらチームをまとめられるか」などと父を質問攻めにした。離れて暮らしていてもLINEで相談。心のよりどころだった。「自慢の父です。常に僕の見本でいてくれました。いろいろなことを、ずっと教えてもらってきました」と、あらためて父への感謝を口にした。
チーム目標の「花園で年越し」をかけて、30日の2回戦は光泉カトリック(滋賀)と対戦する。【柏原誠】


